「仮想通貨に投資したい」説得し続け、詐欺を防いだ銀行員に感謝状「聞いてくれず、心痛めたことも」

警察関係者をかたり金をだまし取る特殊詐欺の被害を防いだとして京都府警向日町署は、京都銀行向日町支店・東向日町支店の支店長大垣和吾さん(52)と同支店長代理宮下奈々絵さん(43)、同行本店営業部府庁出張所長の志村さおりさん(50)に感謝状を贈った。 志村さんと宮下さんは今年2月10日以降、約4カ月にわたって同市の60代女性を説得し被害を防いだ。 女性は「固定電話が使えなくなる」という電話をきっかけに、警察関係者を名乗る人物から「預金と犯罪の関連性を疑ってあなたを捜査している。協力しないと逮捕する」と脅された。同支店を訪れて運用中の金融商品の解約や高額の送金を申し出、行員には「仮想通貨に投資したい」と話したという。 女性の資産運用を担当していた宮下さんは不審に思い、同署に通報するとともに、口座の入出金を銀行が管理するよう本部と調整。女性はその後、宮下さんらと12回も会って送金などを求めたが、宮下さんや向日町署員が女性の娘を交えて説得し続けた。 銀行の対応にしびれを切らした女性が弁護士に相談、弁護士から「犯罪に巻き込まれている」と指摘され、ようやく詐欺と気が付いたという。 大垣さんは「あきらめずに説得し続け、お金が犯罪組織に流れるのを防ぐことができた」。宮下さんは「(女性がこちらの言い分を聞き入れてくれず)心を痛めたこともあった」と振り返りつつ、被害を防げてよかったとうなずいていた。

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