七尾市中島町鹿島台の介護老人保健施設「寿老園」に入所する石坂壽(ひさし)さん(93)を殺したとして、七尾署と石川県警は22日、殺人の疑いで、同じ入所者の無職、岡田道定容疑者(87)を逮捕した。岡田容疑者は調べに対し、「間違いない」と容疑を認めている。2人は同じ部屋で過ごした友人同士とみられ、同署は2人の間に何らかのトラブルがあったとみて詳しい動機や経緯を調べている。 逮捕容疑は22日午前4時20分から午前5時20分ごろの間、施設1階の自室で、つえやリハビリに使う金属製の重りを使い、同室の石坂さんの頭や顔などを複数回殴り、頭蓋骨骨折や外傷性くも膜下出血などのけがを負わせ、殺害した疑い。石坂さんの死因は外傷性ショックだった。 七尾署によると、部屋は岡田容疑者と石坂さんの2人部屋で、同容疑者が「石坂さんを殺した」と別室で勤務していた職員に伝えた。職員がベッドにあおむけで倒れている石坂さんを見つけ、「入居中の男性が頭部を殴られ意識不明になっている」と119番通報した。 岡田容疑者は「殺そうと思った」などと供述しており、署は凶器を使っていることや、部屋の状況などから殺意を認定した。署は23日午後に同容疑者を送検するとともに、認知症の有無についても調べるという。同日に遺体の司法解剖も行う。 現場はツインブリッジのとから南西約1・2キロの山間部にあり、周辺には老人福祉施設などが建っている。