神戸市中央区のマンションで２０日夜、女性がナイフで刺され死亡した事件で、殺人容疑で逮捕された会社員谷本将志容疑者（３５）＝東京都新宿区高田馬場３＝が、事件発生から１時間以内に新神戸駅で東京方面行きの新幹線に乗車したことが２３日、捜査関係者への取材で分かった。兵庫県警葺合署捜査本部は、２日間の足取りや事件の動機を調べている。 逮捕容疑は２０日午後７時２０分ごろ、神戸市中央区磯辺通２の９階建てマンションで、６階に住む会社員片山恵さん（２４）の胸などを複数回ナイフで刺して殺害した疑い。調べに「殺意を持っていたか分からないが、ナイフで腹部の辺りを１回か２回くらい刺したことに間違いない」と一部否認しているという。 捜査本部によると、事件で使われたとされるナイフは、現場北側の駐車場で見つかった。付着していた血液が片山さんのＤＮＡ型と一致したという。 捜査関係者によると、事件が起きた時刻から１時間以内に、新神戸駅で新幹線に乗車する谷本容疑者の姿が、防犯カメラの映像で確認されていた。 県警は発生２日後の２２日、東京都奥多摩町のＪＲ青梅線奥多摩駅の防犯カメラで谷本容疑者の姿を確認。警視庁に応援を依頼し、全国に指名手配した。容疑者を見つけた警視庁の捜査員が追跡し、同日午後４時１５分ごろ、奥多摩駅から約５キロ東の路上で逮捕した。 谷本容疑者と片山さんが関係するトラブルの相談歴は確認されていない。捜査本部は２人の面識の有無を含め、経緯を調べる。