悪名高い“エビン刑務所”とは…NHK支局長イランで拘束か 緊迫続く国内情勢の影響か

大規模な反政府デモが続くなど、情勢が不安定なイランで、日本人1人が拘束されました。海外メディアによりますと、身柄を拘束されたのはNHKのテヘラン支局長だといいます。 Radio Free Europe/Radio Liberty 「イランが日本のNHKの支局長を逮捕し、テヘランにある悪名高いエビン刑務所に移送したと、2人の情報筋が明らかにした。支局長は、エビン刑務所第7区に収容されているとみられる」 Radio Free Europeは、アメリカ議会が出資する旧共産圏や中東に強いメディアです。 尾崎正直官房副長官 「日本政府は、イラン・テヘランで邦人1名が、現地時間1月20日に現地当局に拘束されたことを確認しています。プライバシー保護の観点から、これ以上の事案の詳細等についてはお答えできないことをご理解いただきたいと思います」 NHKは、明確な回答はしていません。 NHK 「NHKとしては、常に職員の安全を第一に行動しています。現段階でお答えできることはありません」 1月20日に拘束されたという支局長。どういう状況下で、何の容疑でといった情報は、一切、わかっていません。 1月のイラン情勢は、大きく揺れ動いていました。 犠牲者が数千人とも、数万人とも出たともいわれるイラン全土で、大規模な反体制デモが起きていました。1月20日は、多少、落ち着き始めていた時期になります。 外務省は、本人と連絡が取れているそうです。日本政府関係者は「取材中に拘束されたわけではない」ともしています。 しかし、収監されているのは、エビン刑務所第7区。 国際人権NGOアムネスティ・インターナショナル 「エビン刑務所第7区は、一般的には、金融犯罪関連の収容者がいる場所だが、近年は、政治犯も収監されている」 外国人のジャーナリストでは、2014年に、スパイ行為などの罪で、ワシントンポストの元テヘラン支局長が収監されていました。 ワシントンポスト・元テヘラン支局長 レザイアン氏(2019年) 「私はアメリカの政府のスパイに仕立て上げられた。『裁判で便宜上、有罪を認めないと解放できない』と言われた」 人質交換で釈放されるまで、544日間に及ぶ収監でした。 ワシントンポスト・元テヘラン支局長 レザイアン氏(2019年) 「『残りの人生を刑務所で過ごすことになる』とか、『まもなく釈放』とも言われましたが実現しませんでした。イランは、人質を交渉材料に使うことで知られています」 エビン刑務所は拷問部屋があったり、悪名高い施設です。 身に覚えのないスパイ罪で、5年間収監されていたアヌーシェさん。 アヌーシェ氏 「4m×8mほどのそれほど大きくはない各部屋に、二段ベッドで平均15人ほどが生活していました。水洗ではない、くみ取り式トイレが5つありました。非常に劣悪な環境でした。トコジラミ・ゴキブリ・ネズミがいました。私や仲間の囚人は、精神的に苦しみ、釈放後もトラウマを抱えています。(Q.日本人が逮捕され、刑務所に連行されたことをどう思いますか)非常に心配です。イランは追い詰められ、躍起になっている。どんな罪であれ、逮捕されれば、状況から逃れるのは困難です。まだこれが始まりかもしれず、彼は長い間、精神的な拷問を受けるかも知れません。彼が、なるべく早く釈放されることを願っています」 交渉材料として民間人を不当に逮捕してきた過去も指摘されているイラン。ただ、日本の場合、外交における“人質”が成立するのかは疑問です。 戦後、原油の貿易を通して、イランと日本は、強いつながりを持ってきました。それは、イラン革命後も変わることはなく、いまもカテゴリーは親日国です。開戦前夜のような関係になっているアメリカのような敵性国家ではありません。 外務省によりますと、支局長は「命の危険がすぐに迫っている状況ではない」としています。 尾崎正直官房副長官 「政府としては、本件拘束事案が判明して以降、イラン側に対して当該邦人の早期解放を強く求めてきております。また、邦人本人やご家族等の関係者と連絡を取りつつ、必要な支援を行っております」

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