「安心して預けられるはずが…」 介護施設の殺人事件、苦悩する遺族 専門家は処遇改善訴え

石川県七尾市の介護施設で入所する男性が同じ部屋で暮らす男に殺害された事件。 家族を安心して預けられるはずの施設で何があったのか。県内の介護施設や専門家に業界が抱える課題を取材しました。 この事件は、22日早朝、七尾市中島町鹿島台の介護老人保健施設で同じ部屋に入居する男性(93)をつえや金属製のおもりで複数回殴り殺害したとして、七尾市の無職・岡田道定容疑者(87)が殺人の疑いで逮捕・送検されたものです。 ■遺族「あなたたちちゃんと巡回して見張ってるんと違うんか」 男性の長男「信じられない。施設にいてどうしてこんなことが起きるんだろう。聞いたときは意識緒が飛びました。『あなたたちちゃんと巡回して見張ってるんと違うんか』と」 施設側の対応に問題は無かったのか。 警察によりますと岡田容疑者は「男性の嫌なところが見え、注意しても直らず我慢をしていた」という趣旨の供述をしているということです。 殺害された男性の長男も事件当日に施設の職員から2人の間に「トラブルの前兆があった」と伝えられたといいます。 ■専門家「国が社会福祉の専門職に対してしっかり保証をしてこなかったっていうのが根っこ」 介護の分野に詳しい金沢星稜大学の曽我千春教授は… 金沢星稜大学・曽我千春教授「同じ部屋だということになれば事前に施設の支える側がしっかり両者の話を聞いたかどうかっていうことは問題になってくる」トラブルを事前に見抜き、事件を防ぐことはできなかったのか。きめ細やかな対応を難しくしているのは、介護業界に広がる職員の人手不足です。 曽我教授は、人手不足の解消には、職員の処遇改善が欠かせないと訴えます。 金沢星稜大学・曽我千春教授「介護職員が足りないっていう問題もずっと言われてきたのに低賃金から抜け出せなかったっていうことと国が社会福祉の専門職に対してしっかり保証をしてこなかったっていうのが今回の問題を起こした根っこにある」 ■「トラブルの種は日常のあらゆる場面」 事件の原因となった入所者同士のトラブル。

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