著名弁護士「3年前の事件で実刑は難しい」神戸女性刺殺事件容疑者の過去判決判断について解説

弁護士の本村健太郎氏は27日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜午後1時55分)に生出演。 神戸市のマンションで住人の会社員女性が刺殺された事件をめぐり、殺人容疑で逮捕された会社員谷本将志容疑者が、3年前にも女性につきまとうなどして傷害事件を起こし、今回執行猶予中の犯行だったことをめぐり、3年前の司法判断が妥当だったかという議論があることを踏まえ、法律家の立場からコメントした。 谷本容疑者は2022年、20代女性の首を絞めた傷害などの罪で起訴された。犯行現場は今回の事件と同じ神戸市中央区だった。裁判では懲役2年6カ月、執行猶予5年の有罪判決が言い渡され、今回は執行猶予中の凶行だった。当時の判決言い渡しの際、裁判官が谷本容疑者について「思考のゆがみは顕著」「再犯が強く危惧されると言わざるを得ない」などと指摘していたことも分かっている。 番組では、最新情報をまじえて今回の事件を詳報。その中でコメントを求められた本村氏は「視聴者の方の思いとしては、3年前と今回と、そっくり同じような事件を起こしているではないかと。だったら3年前の裁判でもっと重い刑、執行猶予ではなく実刑にしていれば今回の事件は防げたのではないかという思いを感じられる方もいるかもしれない」とした上で「法律家の立場から言わせていただければ、3年前の事件で裁判官がこれより重い刑、具体的には実刑判決を下すという判断は、なかなか難しかったと思う」と述べた。 「刑を決める際の要素はいろいろある。再犯の恐れというのは、たしかに量刑の要素の1つ。また同じような事件を起こすのではないかというリスクは判断の要素には入るが、それはあくまでも1つの要素。いちばん大事な要素は、その事件の被告人のやった行為。その罪の重さなんです」と説明した。 「3年前の事件について言うと、殺人事件ではなく傷害事件にとどまる。凶器を使わずに、首を絞めた。(被害者は)比較的、けがの程度は軽いという事件。それで実刑というのはなかなか難しい」とした上で「3年前の事件でも、もし凶器を使っていたとか性犯罪の要素があったという要素が加わっていたら、3年前の事件でも実刑判決というのは可能だったかもしれないが、この事案では執行猶予が相当だったと思います」と解説した。

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