神戸市のマンションで女性が殺害された事件で、逮捕された男が事件の3日前にも別のマンションに住む女性の後をつけて、オートロックをすり抜けるなどの行為に及んでいたとみられることが、読売テレビの取材でわかりました。 事件前日の夕方、防犯カメラがとらえた神戸市内の映像に映っていたのは被害女性の勤務先付近でスマートフォンを手に歩く男。 会社員の片山恵さん(24)を殺害した疑いで逮捕された谷本将志容疑者(35)とみられます。 黒いTシャツに短パン姿で電話をするような仕草で歩道を歩き、立ち止まって画面の左方向を眺める様子が―。視線の先にあるのは片山さんの勤務先です。 その後、歩道のすみにしゃがみこんで約4分間、終始、スマートフォンを耳に当てたまま、道路の向かいにある片山さんの勤務先に顔を向けていました。 さらに事件の2日前にも、同じ場所の防犯カメラに谷本容疑者とみられる金髪まじりの黒髪の男が歩く様子が映っていました。 先週水曜日(20日)、片山恵さんが自宅マンションで胸などをナイフで複数回刺され、殺害された事件から27日で1週間。 藤枝 萌音記者 「午前5時17分です。東京都内の谷本将志容疑者の自宅に兵庫県警の捜査員が家宅捜索に入ります」 谷本容疑者が住んでいた東京都内の会社寮に兵庫県警の捜査員が家宅捜索に入りました。一昨年からドライバーとして働き、4畳半の部屋で暮らしていたという谷本容疑者。 谷本容疑者 『(片山さんは)全く知らない人です』 片山さんとの面識はなかったとみられる中、その後の読売テレビの取材で新たな事実が明らかになりました。 谷本容疑者が東京から神戸に到着した事件3日前の8月17日、午後10時ごろ―。 谷本容疑者とみられる男が、片山さんとは別の20代の女性の後をつけ、マンションのオートロックをすり抜けるなどの行為に及んでいたのです。 場所は谷本容疑者が宿泊していたホテルの近く。女性がマンションのオートロックを解除した際、扉が閉まる直前に見知らぬ男が入ってきたことに気づいたといいます。 20代の女性(読売テレビの取材に対し) 「自動ドアが閉まるギリギリで男が入ってきたので思わず振り向いた。男はスマホを耳に当てているのに無言で、通話している雰囲気もなく、ジロジロこちらを見てきた。『この人とエレベーターに乗るとやばい』と直感的に思った」 エレベーターには乗らず、奥のスペースに避難した女性はその後、時間を置いて確認したところ、男の姿が見えなくなっていたということです。女性にケガなどはありませんでした。 谷本容疑者の逮捕後、女性は警察に相談し、警察もこうした経緯を把握しているといいます。 また、谷本容疑者は3年前に、女性につきまといマンションの侵入して首を絞めたとして執行猶予付きの有罪判決を受けています。 さらに、その2年前の2020年にも別の女性に対するストーカー規制法違反などの疑いで逮捕され、罰金の略式命令を受けていたことが新たにわかりました。 いずれの事件も女性と面識がなく、マンションの周りをうろついたりするなど同様の手口で犯行を繰り返していた可能性もあるということです。 警察は谷本容疑者がターゲットを決めずに女性を物色していた可能性があるとみて詳しく調べています。