虚偽の書類でマンションの賃貸契約を不正に結ばせたとして、福岡県警は29日、住居不定で無職の佐々木貴志容疑者(27)ら違法薬物密売グループのメンバー2人と、福岡市と大阪市の不動産仲介会社にそれぞれ勤める男性社員2人の計4人を詐欺容疑などで同日までに逮捕したと発表した。不正契約された部屋(計4室)は密売グループの拠点などに使われていた。 県警などによると、他に逮捕された密売グループのメンバーは大阪市の無職、田中悠雅容疑者(25)。業者側で逮捕されたのは同市の不動産仲介会社「LAKIA COMPANY」社員、玉山翔瑛(かえい)容疑者(27)▽福岡市の同「アーウィン」社員、関岡勇人容疑者(33)――の2人。 逮捕容疑は、佐々木容疑者は2024年2~5月、密売グループメンバーの男女2人にマンションを借りさせようと計画。関岡容疑者と共謀し、うその採用内定通知書を不動産管理会社に送り、福岡市中央区のマンション2室を契約させたとしている。田中容疑者は無職でも部屋を借りられるように玉山容疑者と共謀。同様の手口で大阪市内のマンション2室を契約させたとしている。 県警は佐々木、関岡両容疑者の認否を明らかにしていない。田中容疑者は容疑を認め、玉山容疑者も「営業成績のためにやった」などと認めているという。 密売グループは賃貸契約した各マンションで大麻草を栽培するなどしていたとされ、県警は5月以降、佐々木容疑者ら男女7人を大麻草栽培規制法違反(営利目的)容疑などで逮捕。乾燥大麻約6・8キロなど末端価格で計約4670万円相当の違法薬物を押収し、部屋の契約状況などを捜査していた。福岡地検は違法薬物と大阪のマンション不正契約の事件については佐々木、田中、玉山の3容疑者をそれぞれ起訴し、公判中。 県警は29日、関岡容疑者の勤務先を捜索した。密売グループは4室を含めて計十数カ所の賃貸物件を契約しており、同様の不正がなかったか調べる。 また、県警は賃貸契約の成立に影響を与える虚偽情報を取引先に提供したとして、勤務先の2社を宅地建物取引業法に基づいて行政処分するよう大阪府や福岡県に要請する方針。 アーウィンは「社員個人による不適切な行為と認識している」、LAKIA COMPANYは「内部調査で他に1人が不正行為をしていたことが判明した。会社として不正は把握していなかったが、管理不足は否めない」としている。【栗栖由喜】