八戸放火殺人、容疑者「トラブルなかった」

青森県八戸市新井田後庵のアパートで住人の無職女性(81)が焼死した放火殺人事件で、殺人、現住建造物等放火容疑で逮捕された隣室の無職の容疑者の女(51)が「(女性と)トラブルはなかった」との趣旨の供述をしていることが12日、捜査関係者への取材で分かった。容疑者逮捕から同日で1週間。隣人で、共に単身だった2人の間に何があったのか。県警は動機や詳しい状況について調べを進めている。 捜査関係者によると、容疑者は逮捕後の取り調べに落ちついて応じており、「女性とは顔見知りの関係」と話しているという。 現場は周辺にスーパーやパチンコ店などが並ぶ八戸市内の住宅密集地。8月25日午前10時半ごろ事件は起きた。木造2階建てアパートの1階3号室から出火し、火元の居間から女性の遺体が見つかった。激しい炎に包まれ、上階の一室も全焼した。 居間の中でも遺体やその周辺の焼損が特に激しく灯油成分が検出された。遺体近くには溶けたポリタンクも残されていた。現場と遺体の状況、防犯カメラ映像などから放火殺人事件と断定。証拠を積み上げ、容疑が固まった9月5日、階上町の関係者の家に身を寄せていた容疑者を逮捕した。 複数の防犯カメラには、出火数時間前から現場アパート近くを不自然にうろつく容疑者の姿が捉えられていた。女性が帰宅した後、容疑者は無施錠の玄関ドアから室内に侵入。灯油をまき、火を放ったとされる。女性が在宅しているのを確認した上での短時間の犯行とみている。 容疑者が灯油を犯行前に購入した形跡はなく、容疑者もしくは女性の部屋に保管されていたものを使ったとみられる。容疑者の部屋からはライター数本などを押収した。 出火直後、容疑者は火事に驚いた様子を見せ、警察の聞き取りに「火災発生時は自分の部屋にいた」と答えていた。 青森地検は12日、容疑者の勾留延長を請求し、認められた。勾留期限は25日。

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