先月山形県酒田市で起きた、下校中の女子中学生が車にはねられた交通事故。はねられた女子生徒は意識不明の重体となり、今も容体が変わったとの情報はありません。 この事故で警察は逮捕の男を危険運転傷害の疑いで送検しました。送検後は検察の取り調べがあり、起訴するのか、起訴する場合はどんな罪になるのかの判断が出されます。 もちろん判断は感情的に出されてはいけないという側面がありますが、検察が警察の”危険運転”での送検をどう考え、どう扱うのか近く判断される見込みです。 ■事故を振り返る 警察や消防によりますと、8月28日の午後3時前、酒田市亀ヶ崎の交差点で、中学3年生の女子生徒が軽乗用車にはねられました。現場は、横断歩道はあるものの信号機のない十字路交差点。女子生徒は横断歩道を渡っていたということです。 事故の衝撃で、女子生徒は10数メートル先に飛ばされ、頭などを強く打ち、意識不明の重体となりました。 ■事故はなぜ起きた 事故当時、交差点では横断歩道を渡ろうとした女子生徒のために、車が1台停まろうとしました。そのうしろから走ってきた黒い軽乗用車。この軽乗用車が事故を起こします。 女子生徒は、車が停まってくれたことを受けて道路(横断歩道)を渡っていたところで、停まった車を追い抜き、前に出て来た軽乗用車にはねられたのです。 警察は軽乗用車を運転していた医療法人職員の男(62)を、過失運転傷害の容疑で現行犯逮捕しました。男は容疑を認めているということです。 ■容疑が「危険運転」に切り替わった しかし8月29日、警察は男の容疑を「危険運転」に切り替え送検しました。なぜ容疑の切り替えが行われたのでしょうか。 男が最初に逮捕された容疑は「過失運転」。これは簡単に言えば「不注意による事故」を意味します。しかし「危険運転」になると「ドライバーの運転行為により命や身体に危害が加わった」ことを意味し、罪が重くなります。この違いは非常に大きいものです。