警察官や検察官などを装い、暗号資産の口座へ送金させる手口で、富山県砺波市に住む80代女性が現金7299万円をだまし取られていたことが17日までにわかりました。 砺波警察署によりますと、富山県砺波市に住む80代の女性宅に4月29日、東北厚生局職員を名乗る男から固定電話に連絡があり「クリニックで睡眠薬を購入したか」「あなた名義の保険証番号が使われている」などと告げられました。 その後、宮城県警察のアオキを名乗る男から「あなたのキャッシュカードと保険証番号で睡眠薬が購入されている」「あなたでないと、つじつまが合わない。このままだと逮捕される」などと言われたといいます。 さらに特別捜査本部のカンザキ、検事のナガヤを名乗る男からも電話があり「あなたのキャッシュカードを50万円で買ったと言う者がいる。 キャッシュカードを売れば逮捕される」「家族にも言ってはいけない。息子に話したことで息子が逮捕された人もいる」「あなたのお金を調べる必要がある」などと告げられ、通信アプリ「Messenger」での連絡を指示されました。 女性は犯人グループの指示に従い、インターネットバンキング口座を開設し、暗号資産取引アプリも登録しました。「あなたのお金が犯罪に使われたか確認する。問題がないと分かれば返金します」との言葉を信じ、5月15日から7月16日までの間に計7299万円を暗号資産購入用口座に振り込みました。 返金がないことを不審に思った女性が金融機関に相談したところ、詐欺の可能性を指摘され、被害に気づいたものです。 砺波警察署は、警察官や検察官を名乗る電話に対しては、相手の名前や所属部署を確認し、一度電話を切って家族や警察に相談するよう注意を呼びかけています。また、「+」から始まる国際電話番号からの電話にも注意するよう警告しています。