【AFP=時事】スウェーデンのウルフ・クリステション首相は17日、対立を深めるハンガリーのオルバン・ビクトル首相に対し、選挙運動でスウェーデンに言及するのをやめるよう求めた。 自身が率いるフィデス・ハンガリー市民同盟は来年の総選挙で厳しい戦いに直面する可能性がある中、オルバン氏は選挙戦のメッセージで、スウェーデンのギャング犯罪問題に言及している。 ソーシャルメディアへの投稿で、「スウェーデンは法と秩序が崩壊しているくせに、法の支配についてハンガリーに説教している」と述べ、スウェーデンが急増する銃撃事件と爆破事件を抑え込むのに悪戦苦闘している点に言及した。 これに対しクリステション氏はソーシャルメディアで、オルバン氏が「本当に権力の座を脅かされている」ことを理解していると反論。 「しかし、われわれはあなたの選挙運動に干渉するつもりはない。関わりたくもない」と続けた。 両氏は月15日にも、オルバン氏がスウェーデンで「未成年の少女280人」が殺人容疑で逮捕されたと主張したことをめぐり、激しい論争を繰り広げたばかり。クリステション氏はこの主張を「とんでもないうそ」だと非難した。 オルバン氏が引用したAFPの記事は、スウェーデン当局者の発言として、未成年の少女280人が殺人、過失致死、暴行の容疑で逮捕されたと報じたものだった。そのうち殺人または過失致死はわずか4件で、残りは暴行だった。 オルバン政権下のハンガリーは、法の支配を軽視しているとして、欧州連合(EU)から非難されている。【翻訳編集】 AFPBB News