金の延べ棒を購入させてだまし取る特殊詐欺の被害を防いだとして南署は、大阪市中央区の貴金属店「GINZA TANAKA心斎橋店」に感謝状を贈った。金価格の高騰を背景に増加している新たな特殊詐欺の手口だったが、店員の直感が被害防止につながった。 8月中旬の午後、80代女性がおどおどした様子で「金を買いたい」と来店してきた。対応した店員の阪田純一さん(66)は「なぜご購入しますか?」「どうやって保管されますか?」と質問したが、女性は口ごもっていたという。 女性は「金を購入しないと逮捕される」と店側に説明。阪田さんは詐欺だと直感し、警察へ通報した。南署によると、女性は警察官をかたる人物から「あなたの口座が犯罪に利用されている。容疑を晴らすために預金を調べる必要がある」などと資産状況を問われ、さらに約1500万円分の金を購入するよう誘導されていた。 牧野哲男署長から感謝状を受け取った阪田さんは「引き続き、お客様に寄り添っていきたい」と話していた。【松原隼斗】