未明の池袋駅前で…小柄な男性にピンときた巡査部長、迅速な逮捕劇

身長150センチくらい、白いTシャツで右肘にやけどの痕がある男性――。 東京都内では8月下旬ごろから、新宿や池袋の美容室やエステサロンなどで、店舗内に侵入される被害が約10件相次いだ。 警視庁内で捜査員らに周知された事件に関する手配書には、現場付近の防犯カメラに映った容疑者の画像と併せて、そんな背格好などの特徴が書かれていた。 都内で有数の繁華街・池袋にある「池袋駅東口交番」。泊まり勤務をしていた警視庁池袋署の30代の男性巡査部長は、その内容を頭に入れて警戒していた。容疑者の画像が撮られた場所も池袋だった。 21日午前2時過ぎ。週末とはいえ、未明の交番前を行き交う通行人はまばら。その中で一人の小柄な男性の姿にピンときた。 白いTシャツを着て、カバンや靴は手配書にあった防犯カメラの人物のものと同じに見えた。 職務質問すると、その男性は抵抗せず、手配書に書かれた氏名を名乗った。巡査部長は迷うことなく、身柄を確保した。 警視庁捜査3課は21日、東京・銀座の美容室に侵入し現金約30万円を盗んだなどとして、住所不定、無職、村上真一容疑者(38)を建造物侵入と窃盗容疑などで逮捕した。 逮捕容疑は8月28日午前1時半ごろ、銀座のビル4階にある美容室に侵入し、カウンター内にあった手提げ金庫から現金約30万円を盗んだなどとしている。 警視庁によると、村上容疑者はビル内の集合ポストの鍵を破壊。中に入っていたカードキーを使ってエレベーターで4階に上り、店内に侵入したという。手提げ金庫は未施錠だった。 村上容疑者は容疑を認め、「愛知や大阪、東京で100件ほどやった」と供述しているという。盗んだ現金は生活費やガールズバーの支払いなどに使ったとみられる。【松本ゆう雅】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする