「この度は申し訳ございませんでした」 警視庁湾岸署の正面玄関から黒いスーツ姿で現れた清水尋也被告(26)は、集まった100名以上の報道陣とファンの前で深々と頭を下げた。 「私の俳優としての未来に期待してくださっていた関係者の皆様、ファンの皆様を裏切る結果となってしまったこと、心から反省しております。この度は本当に申し訳ございませんでした」 こわばった表情で、しかし、しっかりと謝罪の言葉を口にすると、再び深々と頭を下げたのだった。 9月24日の夜7時過ぎ、麻薬取締法違反で起訴された清水被告が保釈金200万円を納付し、勾留先の湾岸署から保釈された。清水被告は9月3日、東京・杉並区の自宅で今年7月10日ごろに大麻を所持した容疑で家宅捜索を受けたその際に、袋に入った大麻を含む植物片0.4グラムが発見されて逮捕。その後9月22日に起訴された。7月に大麻を所持した容疑については不起訴となっている。 また、この日には事件に関するもう1つの大きな出来事があった。 「9月1日ごろに清水被告宅で乾燥大麻約0.4グラムを共同で所持した疑いで、警視庁が俳優の遠藤健慎容疑者(24)と20代のアルバイトの男を逮捕したのです。3日の捜索で清水被告宅から大麻が見つかったことで、出入りしていた2人も事情を聞かれていたようです。 遠藤容疑者は調べに対して『いままで大麻を持っていたり使用したことはありません。大麻のようなものを見ましたが、それは私のものではありません』と容疑を否認しています」(社会部記者) 遠藤容疑者は’09年に子役としてデビュー。その後もキャリアを積んで’21年にはNHK大河ドラマ『青天を衝け』で吉沢亮演じる主人公・渋沢栄一の息子役を演じた。清水容疑者とは’18年に映画『ミスミソウ』やドラマ『チア☆ダン』(TBS系)などで共演していた。今年3月に遠藤容疑者が出演した舞台のアフターイベントに清水被告が駆けつけるなど、交流は続いていたようだ。 ◆遠藤容疑者は否認しているが… 警視庁によると、捜査員が内偵をすすめていた8ヵ月の間に遠藤容疑者は清水被告の自宅に5回は出入りしていたという。容疑を否認している遠藤容疑者だが、一緒に逮捕された20代のアルバイトの男の供述はまったく違うようだ。 「アルバイトの男は『大麻はみんなで集まったときに吸うために清水の家で保管していた』と容疑を認めたそうです。〝みんな〟というのは清水被告と一緒に逮捕された同居女性(その後不起訴)、遠藤容疑者とこの男性の4人。さらに『私が清水被告とどの売人から大麻を買うかを相談し、2グラム購入した。4人で吸うための大麻だった』と、入手ルートについての供述もしているということです」(同前) 今後、事件はどのように展開するのだろうか。元麻薬取締官の高濱良次氏に聞いた。 「今回の事件は4人の共謀による所持だと警察はみています。清水容疑者は大麻を買うお金を出すことと保管を、アルバイトの男性は入手を担当していました。遠藤容疑者と同居女性は、大麻がどこに保管してあるかを知っていて、清水被告との関係性から、いつでも自由にそれを使える立場にあったということです。 遠藤容疑者は容疑を否認しているようですが、尿や毛髪の検査、そしてメールやチャットなどの通信履歴から、警視庁はある程度の証拠を握っているのではないでしょうか。また、今回は関係者が多いという珍しいケースです。遠藤容疑者以外の3人は全員が認めていますし、他の人との供述の食い違いなどを指摘されれば、容疑を認めざるを得ないでしょう。また、遠藤容疑者と清水被告の〝絆の強さ〟も、遠藤容疑者が自由に大麻を使える立場にあったことを立証するうえでの材料になります。 今後、事件の全容が明らかになっていくと思われますが、清水被告の自宅が大麻の吸引場所だったということですから、他の芸能関係者の関与が浮上する可能性もありえます」 遠藤容疑者とアルバイトの男性の逮捕によって事件の全貌はようやく明らかになってきた。保釈された清水被告は兄の尚弥氏らによってサポートされるとみられている。