指定薬物の大麻成分が入ったリキッドを販売目的で所持したとして、警視庁薬物銃器対策課は26日、合法な大麻由来成分「カンナビジオール(CBD)」製品の販売会社元代表、井上寿毅(としき)容疑者(39)=横浜市中区山吹町=を医薬品医療機器法違反(販売目的所持)の疑いで逮捕したと発表した。 逮捕容疑は2024年10月10日と22日、CBD製品販売会社「チラクシー」(本店・横浜市)の台東区と渋谷区の店舗や埼玉県川口市の倉庫で、当時指定薬物だったテトラヒドロカンナビノール(THC)を含むリキッド計15本(約14・3グラム)を販売目的で所持したとしている。「違法な成分が入っていたとはまったく知らなかった」と容疑を否認しているという。 警視庁によると、井上容疑者は当時、本店など3店舗とインターネットで販売。24年2~10月に1017本を製造し、1本1万900円で販売。売上額は1100万円近くに上るという。 23年7月、浅草店で開催中のイベントで試供品リキッドを吸引した客が倒れ、男女6人が病院に搬送された。その後店舗などを家宅捜索し、リキッドなど約9300点の製品を押収。井上容疑者は製品の鑑定を海外の民間業者に依頼していて、一部から違法薬物を検出したという鑑定書が出ていた。【長屋美乃里】