北九州中学生2人殺傷事件 男を殺人罪などで起訴

記者 「去年、北九州市で中学生2人が殺傷された悲惨な事件から9カ月がたちます。検察はきょう容疑者の男を殺人などの罪で起訴しました。」 殺人などの罪で起訴されたのは北九州市小倉南区の無職・平原政徳被告(44)です。 2024年12月、現場となったのは北九州市内のファストフード店。刃物を持った平原被告が注文の列に並んでいた中学生の男女を突然襲いました。当時中学3年生の中島咲彩さんが腹部を刺され死亡。男子生徒も腰付近を刺され、重傷を負いました。平原被告が入店し、30秒足らずでの犯行でした。その後、平原被告は現場から逃走しました。 逮捕されるまでの間、延べ1000人を超える警察や市の職員が子どもたちの登下校を見守るなど街は不安に包まれました。 警察が逮捕に踏み切ったのは事件から5日後でした。 福岡県警捜査一課 橋本浩輔課長(当時) 「この5日間不眠不休で必ず捕まえるという意気込みを持ってきょうまで取り組んだ」 市民や県民から提供された防犯カメラやドライブレコーダーの映像が逮捕の決め手となりました。 平原被告の自宅周辺では、彼の特異な行動が頻繁に目撃されていました。 周辺住民 「日頃から大声で叫んだり、爆竹を鳴らしたり、ロケット花火を上げたり」 Q.何を叫んでいたか 「『おー』と何かに対して怒るような」 Q.どのくらい続く 「2~3分くらいか1分くらいかな。拡声器を通して、カラオケを歌っていたのでは」 Q.ほぼ毎日 「そうです」 警察の取り調べで平原被告は中島さんへの殺人容疑については「認めない」などと供述。男子生徒への殺人未遂容疑については、殺意はなかったとしています。また、これまでの調べで「目が合ってばかにされたと思った」と供述していることが分かっていますが、2人を襲った動機は依然はっきりとしていません。 福岡地検小倉支部は刑事責任能力の有無を調べるため、2025年1月から2度にわたり約8カ月間の鑑定留置を実施しました。 その結果、事件当時は周囲に強い不信感を抱く精神状態であり、事件にある程度影響したとされるものの検察は刑事責任能力を問えると判断し、26日に平原被告を起訴しました。裁判では、刑事責任能力の有無や程度も争点になる可能性があり審理の行方が注目されます。

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