故エプスティーン元被告の関連資料にマスク氏やアンドリュー英王子の名前 米民主党が公表

米連邦議会の野党・民主党議員団は26日、未成年女性への性的虐待で有罪とされた資産家ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)に関する資料を新しく公開した。その中には、米富豪イーロン・マスク氏とイギリス王室のヨーク公アンドリュー王子の名前が含まれている。 資料は、エプスティーン元被告の遺産管理団体が下院監視・政府改革委員会に提出したもので、それによると、マスク氏は2014年12月にエプスティーン氏の所有する島へ招待されていた様子。 さらに、2000年5月にニュージャージー州からフロリダ州へ向かった飛行記録の搭乗者名簿に、アンドリュー王子の名前が記載されていた。 BBCは、マスク氏とアンドリュー王子にコメントを求めている。 アンドリュー王子はこれまで一貫して不正行為を否定してきた。マスク氏は過去に、エプスティーン氏から島への招待を受けたが断ったと話していた。 元被告の遺産管理団体が下院に、まとまった量の文書を提出するのはこれが3回目。 下院監視委員会の民主党議員たちによると、資料には電話の通話記録、航空機の飛行記録や搭乗者名簿、財務台帳の写し、元被告の日々のスケジュールなどが含まれている。 公開された資料には、マスク氏やアンドリュー王子のほかにも、著名人の名前が記載されている。インターネット起業家のピーター・ティール氏や、ドナルド・トランプ大統領の顧問だったスティーヴ・バノン氏などが含まれている。 2014年12月6日付の記録には「リマインダー:イーロン・マスクが12月6日に島へ(これはまだ予定通り? )」と記されていた。 また、2000年5月12日のフライト名簿には、アンドリュー王子がエプスティーン元被告および親しい関係者のギレイン・マクスウェル受刑者(元被告の共犯として有罪)と共に、ニュージャージー州ティーターボロからフロリダ州ウェストパームビーチへ向かったことが記録されている。 英王室の公務を管理するバッキンガム宮殿は2000年5月11日に公式サイトで、アンドリュー王子がニューヨークで開催された「児童虐待防止協会」のレセプションに出席するため渡米したと発表していた。この後に記載された記録によると、王子は5月15日にイギリスに帰国している。 公表された資料には、2017年11月にピーター・ティール氏との昼食会、2019年2月17日にバノン氏との朝食会の予定も記載されている。 2014年12月には、マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏との朝食会の仮予定も記入されている。ゲイツ氏は2022年にBBCの取材に対し、エプスティーン元被告と会ったのは「間違いだった」と話した。 資料に名前が記載されていたからといって、その人物が、元被告が後に逮捕され、勾留される理由となった犯罪行為を認識していたということにはならない。 エプスティーン元被告は2019年8月、性的人身売買罪で裁判を待つ間、ニューヨークの拘置所で自殺した。 元被告は2008年には、14歳の少女の両親がフロリダ州で警察に通報したことを受け、少女に対する性的虐待罪で起訴され、司法取引を通じて有罪判決を受けていた。2019年7月には性的人身売買容疑で逮捕・訴追された。 下院監視委員会の民主党議員団のサラ・ゲレーロ報道官は、パム・ボンディ司法長官に対し、元被告関連の資料をさらに公開するよう求めた。 「ジェフリー・エプスティーンが、権力と富を持つ世界有数の実力者たちと友人だったことを、全てのアメリカ人は明確に認識しているはずだ。生存者と被害者のために正義を実現しようと私たちは取り組んでおり、新資料が提出されるたびに新しい情報が明らかになる」と、ゲレーロ氏は述べた。 一方、同委員会の与党・共和党議員団は、民主党が「被害者よりも政治を優先している」と非難し、自分たちが近く資料の全容を公開するとしている。 (英語記事 Elon Musk and Prince Andrew named in new Epstein files)

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