「給湯器に異常」うそを言って不当契約 静岡県警、詐欺未遂容疑などで男3人逮捕 高齢者宅狙ったか

高齢者宅を訪れて給湯器に異常があるとうそを言い、不当な契約を結んで交換工事代金をだまし取ろうとしたなどとして、伊豆中央署と裾野署、静岡県警生活保安課は1日、詐欺未遂と特定商取引法違反の疑いで神奈川県厚木市の住宅設備販売会社「e―LIFE」の役員(40)=同県座間市相模が丘2丁目=ら男3人を逮捕した。 静岡県警などによると、「無料点検」と称して、県内や関東圏で、主に80代以上の高齢者宅への訪問を繰り返していたとみられる。同社に関する相談が全国で少なくとも80件以上、県内は30件以上確認されていて、県警は営業実態の解明を進めている。 他に逮捕されたのは、飲食店従業員の男(34)=広島県海田町新町=、訪問販売員の男(40)=神奈川県厚木市三田南1丁目=の両容疑者。県警などによると、2人は事件当時、同社の従業員だったという。指示役の40歳役員と分担しながら各地の高齢者宅を訪れ、営業活動を繰り返していたという。 3人の逮捕容疑は共謀して今年3月、伊豆市内の80代と70代の無職女性2人の自宅をそれぞれ訪問し、給湯器に異常があるとうそを言って、工事代金をだまし取ろうとした疑い。40歳役員、34歳男の両容疑者は法令で定められた記載がない不備書面を交付した疑いも持たれている。県警は3人の認否を明らかにしていない。 県警などによると、40万円前後の高額な契約金などを不審に思った被害女性の2人は契約を解除した。書面は給湯器のメーカー、商品名などの記載がなかったという。 県警などによると、40歳役員が営む同社は2024年3月から稼働。県警は関係先の家宅捜索で約250件の契約書を押収した。80代以上の高齢者が中心で、契約金の総額は約8千万円に上るという。同社に関する相談が消費生活センターに相次いだことから、県警が捜査を進めていた。

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