和歌山市で長女の平流(る)菜(な)ちゃん=(2)=を虐待して死亡させたとして保護責任者遺棄致死容疑で父親の建設業、晴(は)流(る)(26)、母親の無職、菜々美(26)両容疑者が逮捕された事件で、2人は5月ごろから虐待をエスカレートさせたとの供述をしていることが2日、捜査関係者への取材で分かった。流菜ちゃんは7月10日、全身打撲による外傷性ショックで死亡。県警は虐待のエスカレートが死亡につながった可能性もあるとみて動機を調べている。 県警によると、昨年秋ごろから顔や頭をたたく、十分な食事を与えないなどの虐待が始まり、今年5月ごろからエスカレートしたなどと供述しているという。流菜ちゃん1人を残し家族で食事や買い物に出かけることもあったという。流菜ちゃんの死亡時の体重は6080グラムと、2歳児平均の約半分だった。 昨年12月に和歌山市の職員が自宅を訪問した際、適正体重だったことなどを確認していた。また、今年5月ごろまでは親族らが流菜ちゃんと会う機会があったが、以降は流菜ちゃんが外部の目に触れる機会が減ったといい、虐待の発覚が遅れた可能性がある。 7月上旬には、自宅で菜々美容疑者が流菜ちゃんを背中から押して床に倒し顎の骨を骨折させるけがをさせ、同月10日朝に意識不明の状態で病院に運ばれ死亡が確認された。