(中山紗希アナウンサー) 特殊詐欺や強盗事件などの犯罪に関わっているとみられるのがいわゆる「トクリュウ」です。 最近はニュースで耳にすることも多いですが、改めてどういったものなのか弁護士の高橋真一さんと共にお伝えします。 まず基本的な情報として「トクリュウ」とは、「匿名・流動型犯罪グループ」のこと。 【匿名】中心人物が、自らに捜査が及ぶことがないようにするため、匿名性の高い通信手段を使用して実行犯への指示をするなど収益を吸い上げる中核部分は匿名。 【流動】犯罪の実行者はSNSでその都度募集され、検挙されても新たな人が募集されるなど流動的。 【多様な犯罪】特殊詐欺、強盗、窃盗など幅広い犯罪活動に関与しています。 高橋さん、このような犯罪グループが生まれた背景としてどのようなことが考えられますか。 (高橋真一 弁護士) これまでの犯罪グループというと暴力団が典型ですが、暴力団が法律の改正や警察の捜査によって今、衰退している、その空白を埋めるように「トクリュウ」が生まれてきたという風に言われています。 そして、犯罪は社会の鏡、時代をうつす鏡ですので、SNSの普及ですとか、社会的に孤立した人の増加が背景にあるという風に分析されています。 (中山紗希アナウンサー) 従来の犯罪グループと違うのはどういった点でしょうか? (高橋真一 弁護士) 従来の犯罪グループというと暴力団なんですけども、これまで警察が使っていた暴力団に対する犯罪グループの捜査手法が通用しないというのが「トクリュウ」の特徴になります。 暴力団というとピラミッド組織で末端を捕まえて警察は突き上げ捜査ということで上の方までのぼっていくんですけど「トクリュウ」にはこの捜査手法が通用しないということで警察も新たな捜査手法で「トクリュウ」の解明、壊滅に乗り出しているという状況です。 (中山紗希アナウンサー) 山陰でも大型のトクリュウが関わる事件として、このようなものがありました。 —————————— 米子警察署は今年7月、米子市内の個室付き浴場で女性従業員に売春の場所を提供した疑いで、統括管理者の男を逮捕。(その後、起訴) 警視庁が摘発したスカウトグループ「アクセス」が女性を紹介していた店舗の1つで、警視庁から情報提供があったということです。 警視庁によりますと、「アクセス」は5年間で7万8000人の女性を性風俗店にあっせんしていたとみられています。 —————————— (中山紗希アナウンサー) こうした事案もあるわけですが、トクリュウによる犯罪に加担しないためにはどうしたら良いのでしょうか? (高橋真一 弁護士) 実態として「アクセス」の問題がありますが、「トクリュウ」は様々な凶悪な「トクリュウ」が社会で活動していますので、まずそれを知った上で、実行者はSNSで募集されるんですけど、高額バイトとかという呼びかけなんですけど、おいしい話は絶対にありません。短時間で楽にお金を儲ける仕事はないので、甘い誘いに乗らないということが非常に大事になってきますし、心の隙間や貧困で関与してしまっても警察、弁護士も犯罪に加担してしまった人の救済活動をやっていますので、諦めず、こういうところからすぐ足を洗うというのが大事です。 そして、「トクリュウ」の背景にあった社会的な孤立とか貧困の問題、これは社会をあげて取り組まないと「トクリュウ」を壊滅していくのは難しいと思うので、社会をあげた取り組みが大事になってくると思っています。 (中山紗希アナウンサー) 不安に感じたらまずは警察に相談、そして他人事だと思わず注意することも大切となりそうです。 ここまで「トクリュウ」について高橋弁護士と共に解説しました。