不同意性交罪で公判中の男が保釈後に行方が分からなくなり、公判期日に出廷しなかったとして、熊本地検が不出頭罪で男を追起訴していたことが2日、分かった。不出頭罪は、日産自動車の元会長カルロス・ゴーン氏のレバノン逃亡などを受けて2023年11月施行の改正刑事訴訟法で新設された。熊本地検が同罪で起訴するのは初めて。 追起訴されたのは、八代市本町2丁目、無職の男(55)。女性への不同意性交容疑で24年11月に逮捕され、12月に起訴された。 弁護人によると、被告は今年2月26日の初公判で起訴内容を認めて保釈されたが、3月中旬から連絡が取れなくなり、3月27日の第2回公判に出廷しなかった。7月11日に保釈が取り消され、その後、地検職員が八代市内の自宅アパートにいた被告を見つけ、収監した。 熊本地裁(中田幹人裁判長)で2日に開かれた第3回公判で、被告は初公判後に家族から見放され、被害弁償金の工面などへの不安から家出したと説明した。