(CNN) エクアドルで7日、ダニエル・ノボア大統領の車列が群衆に囲まれて石などを投げられる事件があり、エネルギー相は同日、大統領に対する暗殺未遂の容疑で5人が逮捕されたと発表した。 イネス・マンサーノ・エネルギー相の発表によると、ノボア大統領の車列は約500人の集団に取り囲まれて投石された。大統領はインフラプロジェクトの発表のため、カニャール県に向かっていた。車からは弾痕が見つかったが、大統領にけがはなかったとしている。 大統領府が公開した映像には、道路の両側に数百人が集まって腕を振り回したり叫び声を上げたりしながら車列に押し寄せる様子が映っている。群衆が投げた石が当たって窓ガラスに亀裂ができた車もある。車内の人物に身を伏せろと呼びかける声も収録されている。 当局によると、逮捕された5人はテロと殺人未遂の罪で訴追される。 ロイター通信によると、マンサーノ氏は「大統領の車に対する発砲、投石、国家財産の損壊はまさに犯罪だ」と強調した。 エクアドルでは9月にも、インバブーラ県で行われた抗議デモに関連して、ノボア大統領の車列が約350人に襲撃され、花火や火炎瓶、石などを投げられていた。 エクアドル政府は国の支出を削減して燃料密輸を抑制し、社会福祉政策の財源とする目的でディーゼル燃料への補助金廃止を発表しており、これを受けて抗議デモや暴動が広がった。 ここ数週間は、先住民団体を中心とするデモ隊が道路の封鎖や治安部隊との衝突を繰り返し、1週間前には市民1人が死亡、数人が負傷した。 先住民団体のCONAIEは7日の事件をデモ参加者に対する政府の暴力として批判。逮捕された5人について、高齢女性とともに、警察と軍による残虐な攻撃を受けたと訴えている。