裁判所にうその債権を申し立てて、詐欺事件の被害金の入金を理由に凍結された銀行口座から現金を引き出したなどとして、警視庁は、東京都渋谷区のコンサルティング会社「スタッシュキャッシュ」の実質的経営者の林竹千代容疑者(62)=横浜市=ら男女4人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)などの疑いで逮捕し、8日に発表した。認否を明らかにしていない。 犯罪収益対策課によると、4人の逮捕容疑は共謀して昨年9~10月、都内の合同会社に対し、スタッシュ社が債権を持つという、うその公正証書を東京地裁立川支部に提出。強制的に財産を回収する「強制執行」の手続きで合同会社名義の口座から約1817万円を引き出したなどというもの。 この合同会社は、逮捕されたうちの1人が代表社員を務めていたが、運営実態に乏しく、詐欺事件の被害金が入金されたとして、口座が凍結されていた。 4人のうち林容疑者ら3人は、同様の手口で凍結口座から現金を引き出したなどとして、2回、詐欺容疑などで逮捕・起訴されていた。一連の事件をめぐり、組織犯罪処罰法違反容疑での立件は初。(三井新、西岡矩毅)