佐賀県内の60代女性が5億円以上をだまし取られたニセ電話詐欺事件を巡り、現金の回収役などで関わったとして詐欺罪に問われた横浜市の無職の被告(21)は8日、佐賀地裁(山田直之裁判官)の初公判で起訴内容を認めた。事件の公判が開かれたのは初めて。 検察側は冒頭陳述で、被告が事件に加担した経緯について「詐欺の仕事かもしれないと認識しつつ、知人から(回収役を)引き受けた」と説明した。現金を受け取る「受け子」役らの動向を見張り、回収した現金入りのバックを横浜市まで持ち帰って別の人物に引き渡したことも明らかにした。 起訴状によると、氏名不詳者らと共謀して3月18日から同27日までの間、女性に電話で検察官になりすまして「犯罪収益取得の疑いを調査するため、現金を預ける必要がある」などとうそを言い、女性の自宅で2回にわたって計約2億万円を受け取り、だまし取ったとしている。 県警によると、女性は2〜3月、警察官や検察官などを装うニセ電話詐欺の手口で約5億3540万円をだまし取られた。これまでに受け子役や見張り役などをしていたとみられる20〜70代の男計6人を逮捕している。