成田空港に反対する三里塚芝山連合空港反対同盟北原派は9日、千葉県成田市内で12日に予定していた全国総決起集会を中止すると発表した。支援過激派の中核派で9月以降内紛が続いており、過激派同士の内ゲバならぬ、同じセクト内での「内内ゲバ」が起こる恐れを懸念した。 全国集会は、昭和42年10月10日に空港予定地の外郭測量くい打ち作業を阻止する集会を行ったことを記念して、毎年10月に全国の支援者が集まって行われてきた。今年は、60年10月20日の集会の際に中核派活動家らが機動隊を襲撃し241人が逮捕された「10・20成田闘争事件」から40年の節目の年でもあった。 中核派は今年9月、学生戦線トップの男性幹部を「女性差別・性暴力」などを理由に除名し、これに反発した同派全学連の矢嶋尋委員長(26)=学習院大=ら学生の多くが事実上離脱状態にある。 全学連側は9月24日に京都市内で中核派中央側から暴行を受けたと主張。中央側は成田闘争を担当する全学連側活動家を名指しで非難するなど、成田闘争に内紛が持ち込まれる可能性がある。中核派は昭和59年、空港反対同盟の分裂を巡って第4インター活動家を襲撃する内ゲバ事件を起こしている。 北原派事務局は取材に対し「集会を開くことによって、予測できない事態が起こりかねないと判断した」とコメントした。