12日午後1時半ごろ、尼崎市若王寺1の民家で、住人の無職森松嘉親さん(83)が刃物で切り付けられ、救急車の中で死亡が確認された。尼崎東署は殺人未遂の疑いで、近くに住む無職明石愛花容疑者(23)=同市若王寺1=を現行犯逮捕した。 同署によると、近隣住人から「高齢の女性が血まみれで110番をしてと言っていた」と通報があり、署員が駆けつけたところ、森松さんが自宅の1階でうつぶせで倒れており、明石容疑者が両手で持った包丁で首を切り付けていた。 明石容疑者は調べに「その通りです」と容疑を認めているという。通報を求めた森松さんの妻(81)も左手に傷を負ったが、命に別条はないという。妻は「(容疑者とは)顔見知り程度」と説明しており、同署は殺人容疑を視野に捜査を進める。 現場は阪急電鉄園田駅から西に約1キロの住宅街。近くのマンションに住む女性は午後2時半すぎ、明石容疑者とみられる女が警察官に抱きかかえられるようにしてパトカーに押し込まれる様子を目撃しており、「何が起きているのか分からなかった。人が亡くなったと聞いていたたまれない」と話した。近くに住む男性(84)は「森松さんと会えば『おはよう』『こんにちは』とあいさつしており、素朴で気の良い人。近所トラブルは聞いた事はない」と言葉少なだった。