30年前に東京都大田区のゲーム喫茶で起きた強盗事件に関与したとして、警視庁は、住所・職業不詳の相原久仁雄容疑者(62)を強盗致傷の疑いで逮捕し、16日に発表した。容疑を認め、「知り合いに誘われてやった」と供述しているという。 相原容疑者は事件後にフィリピンに渡航していたため時効が停止していた。16日に日本へ強制送還され、航空機内で逮捕された。 渡航した理由について「結婚予定の彼女との間にできた子どもがいたのでフィリピンに行った」と説明。「顔だけ見て帰ろうと思ったが、居着いてしまった」と話しているという。 ■フィリピンでの生活「苦しかった」 共謀容疑の2人はすでに刑期終える 現地では、指圧やはりを使った仕事をしていたと説明。「生活が苦しかった」とする一方、「警察が私を追っていることは知っていた」とも供述しているという。 蒲田署によると、相原容疑者は1995年2月10日午前3時ごろ、当時20代だった別の男2人と共謀し、大田区蒲田5丁目のマンションの一室にあったゲーム喫茶で、店長の男性(当時53)にナイフを突きつけた上で押し倒して胸を蹴るなどして3週間のけがをさせ、店にあった約70万円を奪った疑いがある。 事件当日にフィリピンに向けて成田空港から出国。警視庁がフィリピン当局に捜査協力を依頼していた。今年6月になり、マニラで現地当局に拘束されていた。 相原容疑者と共謀した容疑の男2人は、事件当日に警視庁に逮捕されたあと、実刑判決を受け、すでに刑期を終えているという。(藤田大道)