「殺害目的で入った」 容疑者、事前に殺意固め侵入か 高齢者施設襲撃・埼玉県警

埼玉県鶴ケ島市の高齢者施設「若葉ナーシングホーム」で入居女性2人が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された元施設職員木村斗哉容疑者(22)が「殺害する目的で施設に入った」という趣旨の供述をしていることが18日、捜査関係者への取材で分かった。 県警は「2人に恨みはなかった」と供述する木村容疑者が、人を殺す意思を固めた上で施設に侵入したとみて、詳しい動機を調べる。 捜査関係者によると、木村容疑者は襲撃の際、23キロ離れた自宅から自転車で施設を訪問した。事前に購入したナイフを所持していたほか、「殺害する目的で施設に入った」などと話しており、計画的に準備を進めたとみられる。 昨年7月まで施設に勤務していた木村容疑者は、勤務形態を熟知していたとみられ、夜間巡回職員が1人の時間帯に侵入。施設内の構造にも詳しく、「エレベーターを利用すると、怪しまれると思い、階段で上の階に向かった」と供述した。 周辺の防犯カメラの映像では、木村容疑者は事件の前後で、上着を着替えていた。事件後、施設周辺で身柄を確保された際、バッグには首を絞めるために使ったとみられるものが入っており、施設まで乗ってきた自転車も近くで見つかった。 事件は15日午前2時ごろ発生。夜間巡回中の職員がそれぞれ5階と4階の自室で倒れていた小林登志子さん(89)と上井アキ子さん(89)を発見した。2人の上半身には複数の刺し傷があったが、死因はいずれも頸部(けいぶ)圧迫による窒息死だった。 木村容疑者は2人の殺害を認めている。60人余りいた他の入居者は無事だった。

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