「10代や親世代にも観てほしい」〜“若者に迫る闇”を描いた映画『愚か者の身分』製作陣に聞く〜【調査情報デジタル】

闇バイトの募集に応じて強盗や特殊詐欺などの犯罪に加担し逮捕される若者のニュースが連日報じられる中、注目の映画が間もなく全国公開される。闇ビジネスから抜け出そうとする若者3人の3日間の逃走劇を描いた『愚か者の身分』だ(10月24日金曜日公開)。製作したのは、Netflixシリーズ「今際の国のアリス」などを手掛けるプロデュース集団THE SEVEN。同社初の劇場作品となる。森井輝プロデューサーと永田琴監督に、“現代の日本の若者に迫る闇の部分”をテーマに選んだ狙いなどについて聞いた。 ■異例 出演の俳優3人が揃って「最優秀俳優賞」を受賞 ――映画の全国公開に先立ち、先月韓国で開催された釜山国際映画祭で、ワールドプレミア上映され、主演の北村匠海さん、林裕太さん、綾野剛さんの3人が「最優秀俳優賞」を受賞し、話題になりました。3人揃って受賞というのは珍しいですね。 森井 釜山国際映画祭で新設されたコンペティション部門で、アジア圏の14本に選んでいただけたというのがまずあり、その上で、初めての最優秀俳優賞に選ばれたということは非常に喜ばしいです。しかも本来は1人だけが選ばれるはずのところ、うちの『愚か者の身分』を観て3人を選んでくれたということは、この映画を気に入ってないとそうならないんですよ。 それはこの映画が3人の目線で描かれているからであって、よく映画の内容が届いてるってことだと、内容を誉められたと受け取っていますので、それが非常に嬉しいです。 永田 本当に嬉しかったです。もし3人息子がいたら「誰にお祝いの時計をあげようかな」と考える時ってあると思うんです。「他の2人には秘密にしなきゃ」みたいな感じで。「もし何か賞をもらったらそんな気持ちになるんだろうな」と思っていたから、「えっ、3人ともお祝いあげていいの?」と、本当に嬉しかったですね。 ――受賞されたお三方の反応は? 永田 綾野剛さんは去年、Netflixの「幽☆遊☆白書」で釜山の賞(アジアコンテンツアワード&グローバルOTTアワード2024)にノミネートされ、さらに今年の釜山国際映画祭のコンペで評価されることは嬉しかったと思います。すごく噛みしめている感じがしました。

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