フランス人のユーチューバーの男性が、東京電力福島第一原発事故の被災地で撮影したという動画を投稿した。空き家に入り込んでいるシーンがあり、地元で不安の声が出ている。 この男性のチャンネルは登録者数が約99万人。動画は約10分半あり、16日に投稿された。男性は動画内で「福島にいる」と英語で説明。背景などから、原発事故で全町避難を余儀なくされた福島県浪江町で撮影されたとみられる。18日昼時点で約10万回再生されている。 動画では、防護服のような白い服を着た男性が、マイクや放射線測定器を手に、空き家とみられる民家の中で震災時のままのカレンダーをめくったり、残されている家具や車などをたたいて音を出したりしている。屋外では道路で寝転んだり、放射線量を測るモニタリングポストや電柱、鉄柵、トラックの荷台など様々なものをたたいたりしている。 県警双葉署は18日、取材に「事案は承知しているが、捜査状況は答えられない」とした。 動画を見た佐藤秀三・浪江町行政区区長会会長によると、屋外のシーンは避難指示が解除されたエリアで撮影されたとみられるという。「動画の意図は不明だが、不法侵入だとすると不安だ」と話した。 ■帰還困難区域の空き家で逮捕事案も 県内では9月下旬、ウクライナ国籍の男性3人が、住むことができない帰還困難区域にある大熊町の空き家に不法に入り込んだとして、邸宅侵入容疑で現行犯逮捕された。ユーチューブでライブ配信しているのを見た視聴者が通報して発覚した。(東郷隆)