【判決】まさに〝鬼畜の所業〟…女児5人を「泣いたら殺す」と脅して性的暴行した男に下された「裁き」

「泣いたら殺すよ」などと、小学生(事件当時)だった女児を次々と脅して性的暴行を加えた男に10月14日、判決が下された。 東京都江戸川区の配達業・友野勝被告(33)は当時7~11歳だったA~Eさんへの不同意性交等致傷、不同意性交等、性的姿態等撮影、児童ポルノ禁止法違反の4つの罪で起訴された。さらに成人と思われる女性のスカートの下にスマホを入れて盗撮をしたとして、この件についても性的姿態等撮影の罪に問われていた。 「’24年10月19日、千葉県警は、Aさんを空き家の敷地内に連れ込み、性的暴行を加えたとして不同意性交等致傷などの疑いで友野被告を逮捕しました。Aさんの母親が『娘が若い男に体を触られた』と110番通報したことから事件が発覚。防犯カメラの映像を解析するなどの捜査で友野被告が浮上しました。 そして逮捕後、友野被告のスマホに保存されていた動画を解析した結果、複数の女児が被害に遭っていたことがわかったのです。千葉県警は’24年11月20日、Bさんをアパートの敷地内に連れ込んで性的暴行を加えたとして、不同意性交等などの疑いで再逮捕しました」(全国紙社会部記者) 10月14日、千葉地裁で友野被告の判決公判が開かれた。友野被告は上下グレーのスーツに白いシャツ、青色のネクタイで入廷した。坊主頭で、身長は165㎝くらいだが肩幅があるため体は大きく見える。友野被告は正面に向かって頭を下げた。そして衝立でその姿は見えないものの被害者の保護者が座っている右手にも深々と頭を下げると証言台に座る。 ◆少女らの心にも負わせた〝癒えない傷〟 池田知史裁判長が友野被告に言い渡した判決は「懲役24年」(求刑28年)だった。 裁判長は量刑の理由を「被告人の性的な認知や考え方は相当ゆがんでおり、厳しく非難すべきである」と指摘。一連の犯行は「各被害児童の人格や尊厳を踏みにじり、恐怖心を深く植え付けるとともに、強い不快感、屈辱感を与えるものであって、非常に悪質」「被告人の犯行は、各被害児童やその家族の日常生活を一変させるもの」と述べた。 その一方で、「真摯な反省はみられないものの、各犯罪事実を認めて謝罪の言葉を述べ、専門のクリニックで性依存の治療を始めるなど、更生に向けた取り組みをしている」ことを量刑には考慮したという。 「更生に向けた取り組み」が考慮されたとはいえ、約半年の間に5人の女児に性的暴行を加えた友野被告。犯行はまさに〝鬼畜の所業〟だった。 女児の腕や頭をつかんで人けのない場所に連れ込み、「殺すぞ」と脅して性的暴行を加え、さらに犯行の一部をスマホで動画撮影。さらに悪質だったのは、犯行後に「お父さんやお母さんとかに言ったら、殺すからね」と脅して口封じをしていたことだ。 そのときの恐怖で、BさんとEさんは、現在まで両親にも被害を打ち明けることができていないのだ。Eさんは警察や検察の取り調べに被害について話すことができず、Bさんは、「事件のことを思い出させたくない」という両親の意向で、取り調べそのものを受けていない。2人とも両親が警察の捜査に協力することによって、ようやく友野被告の犯行を特定できたという。 おのれの欲望のためだけに、少女たちの心に癒えることのない傷を負わせた友野被告の犯行に、保護者たちの怒りはいかばかりだろうか。10月2日の初公判で読み上げられた被害女児たちの保護者の供述調書には、犯人への怒りと強い処罰感情がにじみ出ていた。 ◆娘は「ママが殺される」と泣いていた 「(被害に遭った日)娘は泣きながら、『(被害のことを)誰かに話したら殺される。ママが殺される』と非常に怯えていました。今でも不審者情報が地域で流れると、本当に怖い思いをしており、被害に遭ったことはこの先もトラウマになって、残ってしまうと思います」(Aさんの母親) 「娘はこのような被害に遭ったという爆弾を抱えながら生きていくことになります。このようなトラウマはすぐには消えないはずです。被害者である私たちが引っ越しをするなどしなければいけません。なぜ逃げ続けなければならないのかと思います。できるのであれば、犯人は一生を刑務所で過ごしてほしいと思います」(Bさんの父親) 「娘は、自分から被害について話したりはしませんが、不審者情報がメールで回ってくると、ひどく怯えた様子になるので、被害に遭ったときの恐怖心が引いていないのだと思います。犯人からどのような謝罪があろうと、決して許すことはできません」(Cさんの父親) 「被害に遭う前の娘は外で遊ぶことが大好きだったのに、外を出歩けなくなりました。犯人が逮捕される前は、寝ているときに『なぜあそこに、あいつがいるんだ』などと怒りだすこともありました。今でも1人で寝ることができず、夜中に泣いたり叫んだりすることがあります」(Dさんの母親) 「警察から連絡があって警察署に行くと、小学生くらいの女の子の画像を見せられ、『これは娘さんですか』と聞かれました。顔も着ていた服も、娘でした。私は娘が性犯罪の被害に遭ったことにまったく気づきませんでした。 娘は警察の取り調べでも被害について何も話すことができなかったのですが、自宅で『今度、頑張ったら話せるかもしれない』と言い出したことがありました。しかし、ポツポツと言葉を発した後、少し言いたくなさそうな様子を見せ、泣きだしてしまったのです。それ以降、事件のことには触れていません」(Eさんの母親) 語られた被害者家族らの悲痛な言葉を聞いても、友野被告は公判を通して事件について供述することはなく、黙秘を貫いていた。この日言い渡された判決について友野被告は何を思ったのだろうか。 判決を言い渡された友野被告は、再び正面と右手に深く頭を下げて被告人席に戻っていった。しかしその間、何らかの感情をあらわにすることはなかった。 公判で罪を認め、謝罪の言葉を述べることはあっても、事件については何も語らず黙秘を通した友野被告。いまさらながら自分の犯した罪の重さに圧倒され、更生することがせめてもの贖罪となると考えているのか。それとも、「犯した罪」ではなく、ただ「逮捕されたこと」を悔やんでいるのか。 その淡々とした表情からは、何の感情も読み取ることはできなかった。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://x.com/FRIDAY_twit 取材・文・写真:中平良

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