神戸高2刺殺 事件直後「刺したかも」打ち明けられた 男の母証言 損倍訴訟尋問で

平成22年、神戸市北区の路上で刺殺された私立高校2年の堤将太さん=当時(16)=の遺族が、殺人罪で懲役18年の判決が確定した当時17歳の男(32)と両親に約1億4900万円の損害賠償を求めた訴訟が21日、神戸地裁で開かれ、遺族と男の両親への証人尋問が行われた。男の母親は、事件数日後に「刺したかもしれない」と男から打ち明けられたと証言。その上で「事件を目撃したか、錯覚したのではないかと受け止めた」と述べた。 事件は22年10月4日夜に発生。将太さんが突然、面識のない男にナイフで複数回刺され死亡した。11年の逃亡の末に逮捕された男の刑事裁判は今月14日、最高裁が上告を棄却し、懲役18年の実刑が確定している。 この日、出廷した男の父親は尋問で、警察の供述調書と事実に食い違いがあると主張。事件後の息子との接し方について問われると「後悔はない。その都度最良の選択をした」と語った。 母親は尋問で、男の暴力的な性格傾向が人混みや電車内で現れると認識していたと証言。男から事件を打ち明けられた後、警察に相談しなかったのか問われると「そこまで頭が回らなかった」と説明し、「11年もの間気づかなかったこと、若い命を奪ってしまったことに対して大変申し訳なく思う」と謝罪した。 尋問後には将太さんの父、敏さん(66)が神戸市内で会見を開き、男の両親に対し「新たな物語を作ろうとしているようにしか思えない」とし、「われわれ家族が15年間どれだけ苦しんできたか。本当に悔しい」と憤りをあらわにした。

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