パレスチナの人権問題を担当する国連のアルバネーゼ特別報告者は22日、米国が推進するパレスチナ自治区ガザの和平案について、「完全に不適切だ」と批判した。 米国とイスラエルによる「ジェノサイド(集団殺害)」を解決する上で不十分との考えを強調した。訪問先の南アフリカでAFP通信などの記者団に語った。 ガザでは今月、イスラエルとイスラム組織ハマスが米の和平案「第1段階」に合意し、10日に停戦が発効した。 アルバネーゼ氏は、イスラエルを念頭に「占領を終了し、パレスチナの資源搾取をやめる」ことが肝要だと指摘。さらに、イスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)の裁判官が米国の制裁対象となったことに触れ、イスラエルと米国は「正義や責任を追い求める人々に脅威を与えている」と指弾した。 アルバネーゼ氏自身も7月、イスラエルへの批判的な姿勢を理由に米国から制裁を科された。近く国連に新たな報告書を提出するという。