米ニューヨークのマンハッタン都心で連邦移民当局が大規模な取り締まりを行い、アフリカ出身の不法移民者9人を逮捕した。取り締まり現場では市民の激しい抗議デモがあり、一時は混乱が生じた。 22日(現地時間)のニューヨークタイムズ(NYT)によると、21日午後3時20分ごろマンハッタン南部チャイナタウン近隣のキャナル街一帯で移民関税執行局(ICE)など数十人の連邦要員が緊急作戦を展開した。要員はマスクで顔を隠したまま奇襲的に取り締まりを始めた。 キャナル街はアフリカ出身の移民者が露店を出し、偽ブランドバッグ・財布・時計などを販売する地域として知られている。 国土安全保障省は翌日、「ニューヨークのキャナル街を再び安全に」と題した報道資料を出し、「諜報に基づく特定対象の取り締まり作戦だった」とし「不法偽造品販売など犯罪活動に関与した不法移民者9人を逮捕した」と明らかにした。 逮捕された移民者はマリ、セネガル、モーリタニア、ギニアなど西アフリカ出身者で、合法的な滞在身分ではなかった。うち5人は強盗、窃盗、家庭暴力、警察官暴行、偽造、麻薬密売および所持などの前科があると、国土安全保障省は説明した。 国土安全保障省のマクローリン次官補は「逮捕者の大半はバイデン政権で釈放された」と伝えた。 取り締まり直後にSNSを通じて現場の状況が広く知られると、反対デモが強まり、連邦要員が装甲車を動員して対峙するなど一帯が混乱した。取り締まりが終了した後もマンハッタン南部のICE庁舎周辺には約100人の市民が集まり、取り締まりを非難するデモを続けた。 国土安全保障省はこの過程で追加で5人を逮捕したと明らかにした。ニューヨーク地域の市民団体は22日晩にもICE連邦庁舎近隣で抗議集会を続ける計画だ。 ICEのライアンズ局長代行は「無作為取り締まりではなく、路上で人を連行していない」とし「ニューヨークで犯罪を犯しながらも釈放された不法移民者があまりにも多いため、ICEの逮捕が増えるのを見ることになるだろう」と強調した。 一方、今回の取り締まりの直前、親トランプ派のインフルエンサーがキャナル街一帯の不法露店活動を告発する映像を制作してSNSに載せ、照会数が急増したと、NYTは伝えた。