事故で逮捕→釈放当日に再び… 3回逮捕の被告「事故意識薄かった」

交通事故で逮捕され、釈放当日に車を運転して再び事故を起こすなどして鳥取、島根両県警に3~6月に計3回逮捕され、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)、道路交通法違反(ひき逃げ)などの罪に問われた鳥取県伯耆(ほうき)町の無職の男(74)の初公判が23日、鳥取地裁であり、男は起訴内容を認めた。 起訴状などによると、男は3月31日、鳥取市の県道で乗用車を運転し、横断歩道を渡っていた小学生男児をはね、入院加療3カ月以上が必要なけがを負わせた▽4月3日には島根県安来市の市道で乗用車を運転し、自転車の男子高校生に衝突して負傷させ、救護措置などをせず立ち去った。男はこの日に釈放されたばかりだった▽5月7~11日には計3回、運転免許がないのに伯耆町の道路で軽トラックを運転した。免許は安来市の事故の後に取り消されていた――とされる。 検察側は冒頭陳述などで、鳥取市の事故の被害男児が神経系統に障害が残り、介護なしで日常生活が送れず、話すことができない状態だと述べた。安来市の事故で男が運転した車は廃車で車検の有効期限が切れていたうえに自賠責保険も未加入で、検挙を免れようと別の廃車のナンバープレートに付け替えていたとも主張した。 さらに、無免許運転の事案は男の息子が警察に相談したことで発覚したが、「運転していない」と口裏合わせをしようと息子に持ちかけていたとした。 この日は被告人質問もあり、釈放当日に安来市で車を運転した理由を問われた男は「事故をしなかったら大丈夫だと思った」「今までの事故に対する意識が薄かった」と釈明。救護などをせずに立ち去った理由について、「鳥取市の事故で逮捕されたばかりで、車検切れなどが発覚すると大変な罪になると思い隠した」と語った。「(被害者の高校生の)『大丈夫』という言葉に甘えて逃げた。自分のことしか考えていなかった」とも述べた。

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