旧統一教会に関わる2つの大きな裁判が始まります。一つは韓国の教団トップの裁判、もう一つは安倍総理銃撃事件です。山上徹也被告の母親が私たちの取材に応じ、事件を振り返って「私が母親じゃなかったら」と後悔の言葉を口にしました。 ■「宗教2世にとって、良かったのか悪かったのか」山上被告の“葛藤” 世界平和統一家庭連合 田中富広 会長 「信教の自由、家庭の価値を守る、これは民主主義を守る一丁目一番地です」 9月、大阪市内で行われた旧統一教会の集会。東京地裁が2025年3月、教団に対して下した「解散命令」に抗議するもので、約1600人の現役信者らが参加していた。 現役信者 「守ってほしいし、私たちの意見を聞いてほしい、認めてほしいし、応援してほしい」 旧統一教会への恨みを理由に、凶行に及んだとされる山上徹也被告(45)。 2022年7月、奈良市内で演説中だった安倍晋三元総理を銃撃し、殺害した罪などに問われている。安倍元総理が、旧統一教会の関連団体に寄せたビデオメッセージを見て、殺害を決意したという。 10月28日、奈良地裁で初公判を迎える。 2023年2月から大阪拘置所にいる山上被告。面会は4人の担当弁護士と親族などに限られていて、裁判を前に私達は何度も接見を試みたが、全て拒否された。 弁護士によると、手紙の他、衣類や食料品、現金、本などの差し入れが今も絶えず届いている。山上被告は、手紙や差し入れに感謝の言葉を述べた上で、「直接返事もできず申し訳なく思う」などと話しているという。 事件後の旧統一教会を巡る動きについては… 山上徹也 被告 「現在の状況を引き起こすとは思っていなかった。事件を起こしたことが、宗教2世の人にとって、良かったのか悪かったのか分からない。新聞などを読んでいて、旧統一教会問題の解決の難しさを感じます」 ■献金で家庭が崩壊… 信者家族 「(山上被告を)一人にさせてはいけない」 山上被告の裁判の行方を複雑な思いで見ている人がいる。高知県に住む橋田達夫さん(67)だ。