捜査員に囲まれた“北朝鮮スパイ”が「バッグの中にあるタバコを吸いたい」と懇願した理由…ラジオを通じて「暗号指令」が飛び交った「北朝鮮」特殊工作の実態

自民党初の女性総裁、そして総理大臣に就任した高市早苗氏が進める政策の一つに「スパイ防止法」制定がある。さる5月27日には、高市氏が自民党の「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」会長としてまとめた提言を首相官邸に提出、その中に外国勢力によるスパイ行為を取り締まる法律の導入があった。「日本はスパイ天国」――デジタル時代になった令和の今もよく指摘されるが、戦後から昭和の時代にかけて、わが国で明るみに出たスパイ事件は北朝鮮関係が最も多い。 〈その暗躍は「朝鮮戦争」の前後から活発になり、昭和二十五年の「第一次北鮮スパイ団」の検挙をはじめ、昭和二十八年の「第二次スパイ団」、昭和三十年の「第三次スパイ団」、昭和三十三年の「第四次スパイ団」の検挙など、その数は約五十人に及んでいる〉(警察庁警備局の資料より) 昭和40〜50年代初頭まで「北朝鮮スパイ」をめぐる摘発は相次いでいた。北朝鮮というと「拉致」が思い浮かぶが、当時、彼らが担っていた日本での特殊工作とは何だったのか。日本警察の摘発はどのように行われていたのか――昭和の時代に繰り広げられた、日本警察vs北朝鮮スパイのエスピオナージ(諜報戦)の一部を紹介したい。(全2回の第1回)

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