18年前、神戸市で暴力団組長が刃物で刺され殺害された事件で、警察は指名手配していた現場指揮役とみられる暴力団幹部の男を逮捕しました。 組織犯罪処罰法の組織的殺人の疑いで逮捕されたのは、指定暴力団神戸山口組山健組傘下の組幹部、勢昇容疑者(76)です。 勢容疑者は2007年5月、神戸市の路上で、組織的に任務を分担して、当時、山口組系暴力団・多三郎一家の後藤一男組長(当時65歳)を刃物で刺し、殺害した疑いが持たれています。 この事件では、組織的殺人や殺人予備などの容疑で、これまで13人が逮捕されています。 警察は実行役の供述などから、勢容疑者が殺害現場での指揮役だったとみて、事件から2年後の2009年に殺人容疑で指名手配し、行方を追っていました。 警察によりますと、勢容疑者の関係者の車や携帯電話の捜査などから、勢容疑者が東灘区内に潜伏していることを特定し、逮捕に至ったということです。 また警察は、逃亡中の勢容疑者の食料品の購入を手伝うなどしていたとして、暴力団関係者の中田智富容疑者(63)も犯人隠避の疑いで逮捕しました。 警察は2人の認否を明らかにしておらず、勢容疑者のこれまでの潜伏先などを詳しく調べる方針です。