ロシアのグレーゾーン戦展開への2つの見方、中国から日本が受ける時のために対応すべきこと

2025年10月6日付 フィナンシャル・タイムズは、「グレーゾーン戦争の危険」とのギデオン・ラックマンの論説を掲げ、最近のロシアによる挑発行動への対応を論じている。 ドイツのメルツ首相、デンマークのフレデリクセン首相、マニンガム=ブラー元英情報局保安部(MI5)長官によるロシアとは既に戦争状態にあるのかもしれないとの発言は、ロシアによるグレーゾーン戦(殺傷に至らない敵対行為)に対するものだ。 ロシアのドローンがポーランド領空を、戦闘機がエストニア領空を侵犯する中、欧州の懸念は高まっている。コペンハーゲンとミュンヘンの空港は臨時閉鎖した。 ハイブリッド戦は新たな事ではない。昨年には放火事件や DHL貨物機に小包爆弾を仕掛ける計画がロシアと結び付けられた。北大西洋条約機構(NATO)はドイツ武器産業ラインメタルの社長殺害でロシアを非難した。 従来の多数のロシアのエストニア領空侵犯はトップニュースにはならなかった。最近の侵犯は、より長期で挑発的なだけだ。ハイブリッド戦の最重要問題は、それを物理的戦争の代替と見るか、予兆と見るかで、対応が異なることだ。 ロシアのハイブリッド戦は弱さの反映との見方がある。ロシアは西側の対ウクライナ支援に怒り、エネルギー施設への攻撃に脅威を感じている。 ロシアの石油精製施設の半分がウクライナのドローンの被害を受けた。ウクライナに長距離ミサイルを提供して西側は代理戦争をしているとロシアは主張する。 今のところロシアはNATO領域への軍事攻撃でなく、ハイブリッド攻撃をしている。このような比較的抑制的対応は西側の抑止が働いていることの証拠だ。 もう一つの見方は、ロシアのハイブリッド攻撃は西側の反応へのテストで、NATOの分断を狙っているというものだ。それが正しければ、プーチンの現在の行動は、物理的攻撃の予兆になる。

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