事件発生から約26年。名古屋市西区の主婦、高羽奈美子さん(当時32歳)を殺害したとして逮捕されたのは、高羽さんの夫、悟さん(69)の高校の同級生だった。安福久美子容疑者(69)=同市港区東海通5=が10月30日午後、捜査本部が置かれる愛知県警西署に出頭したことで、事件は大きく動き出した。 「まだ実感が湧きません」。県警から容疑者逮捕の一報を受け、悟さんは驚いた様子でこう話したという。 県警本部で31日午後7時半から開かれた安福容疑者逮捕の記者会見。村上健司・刑事部長は会見冒頭、厳しい表情を浮かべながら「約26年の時を経て逮捕した。全容解明に向けて進めていく」と語った。 県警は安福容疑者が出頭した経緯や、捜査対象者の一人だったかどうかなど具体的な内容は一切明らかにしなかったが、県警が容疑者情報として似顔絵付きで公開していた年齢や血液型などと一致していた。 県警はこれまでに捜査員延べ約10万1000人を投入し、5000人以上から事情聴取を重ねてきた。山本政明・捜査1課長は「遺族の無念を晴らすという地道な捜査が実を結んだ。まもなく26年、遺族に対して大変申し訳なく思っている」と謝罪した。【丘絢太、塚本紘平】