奥山葵“日向子”、誰もが事件に巻き込まれ、マスコミに追われるかもしれない怖さを痛感<スクープのたまご>

ドラマストリーム「スクープのたまご」(毎週火曜深夜0:58-1:28、TBSほか/TVerにて配信あり)の10月28日放送の第4号(本作では、「話」ではなく、週刊誌にちなんで「号」と表記)で、新米記者・日向子(奥山葵)が2度目の張り込みに挑んだ。今回は前回のような失敗をしないように気を引き締めて臨んだが、ターゲットは彼女が考えていたような人物像とは違っていた。(以下、ネタバレがあります) ■スクープと向き合い、記者として成長していく姿を描く 本作は、大崎梢氏原作の同名小説をドラマ化。大手出版社の週刊誌編集部に異動となった入社2年目の信田日向子が、芸能ネタや横領、不審死事件など、さまざまなスクープと向き合い、記者として成長していく姿を描いていく。有名週刊誌への綿密な取材によるリアリティー満載の描写で、週刊誌編集部の裏側ものぞけるようになっている。 ■横領事件の犯人の背後に、ナゾの美女 横領事件で逮捕された犯人・児島章一の裏アカウントを見つけた「週刊千石」は、そこにたびたび写っている妻ではない女性・紫宮さおり(小野寺ずる)に注目。編集部は、児島は彼女に騙されて4200万円も押領して全て交際費に使ってしまったのでは…と推測。紫宮に接触を図るためにSNSの写真から行動を割り出し、祖母の命日に墓参りに来ることを突き止めた。 命日が今日との事で、今日明日が勝負。日向子は、数日前から張り込んでいる阿久津(大倉空人)の応援で墓地へ行くことを命じられ、彼と合流。阿久津が言うには、墓地には「紫宮」の名の墓は無く、おそらく偽名なのだろうとのこと。だが先ほど、やって来た1人の女性に「児島章一」の名前を出したら逃げ、その途中で鍵を落としたまま走り去ったとのこと。その鍵には桜のキーホルダーが付いており、SNSに書かれていたことと一致。彼女が紫宮さおりで間違いなさそうだ。 児島との愛の巣の鍵を必ず探しに来るはずだ、と言う阿久津。そして彼は、いったん張り込みを日向子にまかせて会社に戻っていった。その際、ターゲットに接触できた時の心得として、「仏心なんて起こすな。洗いざらい吐かせろ」というデスクの北浜(赤ペン瀧川)のメッセージを伝えた。 ■前回の失敗を踏まえて、今回はしっかり録音 張り込みを続けること数時間…早朝4時過ぎに、紫宮らしき女性が現れた。彼女を追いかけていくと、開演時間を過ぎて閉園している墓地の中に塀をよじ登って入っていった…。不法侵入で捕まったら…と一瞬ひるんだ日向子だが、職務を全うする為に自分も塀を越えて墓地の中へ。真っ暗な墓地の中を恐怖でいっぱいになりながら紫宮を尾行した。 立ち止まった紫宮は、懐中電灯で地面を照らしながら鍵を探している様子。驚かせて興奮させると、聞きたいことも聞けなくなる。探すのを諦めて墓地を出た所で話しかけよう、と様子をうかがっていた日向子は、しゃがんだ姿勢からバランスを崩して紫宮の前に姿を現わしてしまった。 日向子を警察だと思って怯える紫宮。日向子は、前回の失敗を踏まえて、まずスマホの録音ボタンを押し、自分が何者か名乗った後、彼女が落とした鍵を見せた。紫宮は鍵を見るなり、鍵を取り返そうと日向子に走り寄った。だが、日向子は鍵を渡さず、まず、紫宮に児島を騙して横領させた金で遊び回っていたことを確かめた。 ■「美人の悪女」 すると紫宮は、「そんなことしてないです!」と強く否定し、目深に被っていた帽子を取り「私はただ…モデルをしていただけなんです…」と言った。今、日向子の目の前に居る女性は、彼女が考えていたような「中年男性を騙し、4200万円も横領させ、その金で遊び歩いている華やかな美人」ではなく、地味であまりにも普通で、横領事件に巻き込まれたり、週刊誌に追われるような人物には見えなかった…。 紫宮は、児島とは愛人関係でも何でもなかった。彼女は祖父の介護施設の費用が払えず困っていたところ、「写真のモデルを探している」という児島と知り合った。児島は“モデル料”として、まとまった金をくれたそうだ。横領事件のことはニュースで知ったが、その時には既に施設に支払い済で金を返せるアテもなく、逃げていたのだった。 児島は、横領金で贅沢をしていたわけではなく、横領金額が大きくなり、「別の自分」になるという使い道を思いつき、SNSにウソの投稿をしていたのだ。それ以外には特に贅沢もせず、自宅の台所に3000万円を隠し、それを見ては「俺なら何でもできる!」と、生きるよすがにしていたのだった…。 ■誰でも事件に巻き込まれたりマスコミに追われる可能性 想定していた筋書きとはあまりにも違った真相に、編集部はズッコケ。だが、紫宮の告白の録音は取れている為、記事にはすることに。当初は「破綻と引き換えに買った『男の夢』カネと女で踊る欲望のSNS」というスキャンダラスなタイトルをつける予定だったが、発売された記事のタイトルは「中年男の見果てぬ夢 生み出した『妄想力』の結実」になり、出来上がった「週刊千石」を見ながら、日向子は「ここまで変わるか…」とつぶやくしかなかった。 日向子は、今回のことで、普通に暮らしているつもりでも、ほんの些細なズレや、歯車が狂ったことで、事件に巻き込まれたり週刊誌に追われたりするかもしれない恐ろしさを痛感した。 彼女がそんなことを考えていた頃、ベテラン記者・村井(夙川アトム)が追っていて、日向子も新潟まで関係者の消息をたずねに行った指名手配犯・久保塚(相馬理)が、夜道で見つけた女子学生の後をつけていた…。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部

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