先住民女性の遺体が見つかる、2020年から行方不明 米ワシントン州

(CNN) 米ワシントン州北西部の人里離れた地域で今年見つかった遺体が、2020年から行方不明になっていた先住民女性メアリー・ジョンソンさんのものだとわかった。警察が発表した。 当局は遺体について、DNA鑑定の結果、ジョンソンさんのものだと確認されたと明らかにした。ジョンソンさんは先住民トゥラリップ族として登録されており、20年11月25日に先住民保護区トゥラリップ内の「ファイア・トレイル・ロード」を友人宅に向かって歩いている姿を最後に行方が分からなくなっていた。同年12月9日に行方不明届が出された。ジョンソンさんは行方不明当時、39歳だった。 連邦捜査局(FBI)によると、今年6月13日に同州スノホミッシュ郡の人里離れた地域で発見された遺体が最終的にジョンソンさんのものだと確認された。遺体が見つかった詳しい場所は明らかにされていない。 スノホミッシュ郡の法医学局によると、死因と死亡の経緯は分かっていない。ジョンソンさんの失踪と死亡について現在も捜査が行われている。 スノホミッシュ郡のスザンナ・ジョンソン保安官は「この5年間は、メアリーさんの家族や警察の協力者、地域社会の住民、メアリーさんの捜索に尽力してきた人たちにとって、非常に苦しくつらい日々だった。遺体の発見が真相解明に一歩近づくことを願っている」と述べた。 FBIとトゥラリップ族は、ジョンソンさんの失踪に関与した人物の特定や逮捕、起訴につながる情報に最大6万ドル(約920万円)の報奨金を出すと明らかにしている。 ジョンソンさんの失踪からほぼ5年が経過した今、先住民女性の失踪や殺害事件が数多く発生している実態が注目を集めている。遺族や活動家は、こうした事件が軽視され、無視されていると訴えてきた。 ジョンソンさんの事件を追ったドキュメンタリー「ミッシング・フロム・ファイア・トレイル・ロード」は昨年公開された。 こうした事件への注目の高まりを受け、バイデン前政権の時期に連邦政府は対策強化に乗り出した。 今年初めにはトランプ政権下の司法省が、先住民保護区での行方不明や殺害に関連する未解決の暴力犯罪に対処するため、FBIの人員を全米で拡充すると発表している。

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