26年現場の名古屋に潜伏した容疑者の心理…犯罪心理学・出口氏「『長期の潜伏』と『捜査の手』」

名古屋市西区の主婦殺害事件で逮捕された女。事件後も現場となった名古屋市から離れることなく、住んでいたとみられています。その心理状況について、専門家に聞きました。 殺人の疑いで逮捕されたのは名古屋市港区のアルバイト、安福久美子容疑者(69)。 26年前の1999年11月13日、名古屋市西区稲生町のアパートで、主婦の高羽奈美子さん(当時32歳)の首などを刃物で複数回刺すなどして、殺害した疑いが持たれています。 警察の調べに対し、容疑を認めています。 「26年というのは毎日不安だった。報道も見られなかった」 不安にさいなまれる一方で、事件後も現場となった名古屋市から離れることなく、住んでいたとみられる安福容疑者。 その心理状態について、専門家は―― 「今回これだけ長く潜伏できた、要は検挙されなかったってことは、警察は自分のことについて情報を持っていないだろうと思っていた。逆に考えると、いつ自分に追っ手が来るか分からない状況がずっと続いていたということになるわけですから、(名古屋を)離れることによって、自分が今どういう状況に置かれているか分からなくなってしまう。それが最大の恐怖だったのではないか」(犯罪心理学者 東京未来大学 出口保行副学長) 遺族となった高羽さんは長らく、殺人罪の時効撤廃を求める活動を続け、2010年の法改正につながりました。 この「時効撤廃」が、安福容疑者にとって強いプレッシャーになっていたとみられます。 「数多くの逃走を行っていた犯罪者の心理分析というのを行っていたんですけれども、誰しもが同じように口にするのは、逃走期間中のプレッシャーの大きさというもの。(時効撤廃で)逃げ切れることは、あり得なくなっているわけですから。(撤廃前の)過去と今とは、全く違うものなんだろうなと思います」(出口副学長)

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