政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)が9日、元兵庫県議の竹内英明さん(当時50歳)を中傷したとする名誉毀損(きそん)容疑で逮捕された。 立花党首を刑事告訴していた竹内さんの妻(50)は報道各社のオンライン取材に応じ、「この先、同じことが繰り返されてはならない。これ以上の犠牲は生まれてほしくない」と訴えた。 ちょうど1年前は、斎藤元彦・兵庫県知事らの疑惑を巡り、出直し知事選の選挙期間中だった。立花党首は、この頃から竹内さんをインターネット上で中傷していったとされている。 竹内さんの事務所には嫌がらせの電話やメールが寄せられるようになった。妻は「生活が一変した。名誉毀損(きそん)や中傷、これまでだったら考えられなかったことが次々と起きた」と振り返った。 夫の死後、しばらく何もできないままだったという妻。「いろんな方の助けをいただいて、ようやく声を上げることができた」と語った。立花党首の逮捕を受け、「まだ問題は収まっていない。今後の推移を見守りたい」と語った。 竹内さんは斎藤氏の疑惑を調べる県議会調査特別委員会(百条委)のメンバーだった。知事選後に議員を辞職。25年1月に亡くなった。 立花党首の逮捕容疑は24年12月中旬の街頭演説で、竹内さんについて「警察の取り調べを受けているのはたぶん間違いない」などと発言。竹内さん死亡後の25年1月中旬には交流サイト(SNS)などで「県警から取り調べを受けていた」「どうも明日逮捕される予定だったそうです」とうその情報を投稿し、竹内さんの名誉を傷つけた疑いが持たれている。【宮本翔平、林みづき】