【立花孝志容疑者】「あす逮捕される予定」「白黒はっきりする」 発言の数々…竹内英明元県議の死亡から約10か月後に急転逮捕 逃亡のおそれも理由か

名誉毀損の疑いで逮捕され10日午前に送検された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)。眼鏡をかけ、警察車両の後部座席で笑みを浮かべていました。カメラに向かってポーズを決める場面もありました。 警察によりますと、立花容疑者は去年12月、自身が立候補した泉大津市長選挙の街頭演説で、元兵庫県議の竹内英明さんに対し「警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」などと発言したほか、竹内さんが死亡した後にも「竹内さんは明日逮捕される予定だった」などと嘘の情報を投稿。竹内さんの名誉を生前、そして死後も毀損した疑いが持たれています。 ■経緯ふりかえる 去年6月、兵庫県議会に設置された百条委員会。竹内さんはその百条委員会のメンバーとして、斎藤知事のパワハラ疑惑などを追及していました。 その後、斎藤知事は失職。出直し選挙の際に登場したのが立花容疑者でした。 (立花容疑者の演説 去年10月)「斎藤知事は悪いやつだと思い込まされている。これは守りに行かなければ、助太刀しにいかなければいけない」 2馬力選挙を標榜し斎藤知事を擁護してきた立花容疑者。しだいに「口撃」の矛先は百条委員会のメンバーに向けられていきました。 ■立花孝志容疑者の発信 (立花容疑者) 「(百条委員会の)竹内議員はめっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのは、僕も複数の人から聞いていて」 立花容疑者の発信とともに、竹内さんに対するSNS上での誹謗中傷は激しさを増していきました。竹内さんは「家族を守るため」として去年11月に議員を辞職。今年1月、自宅で死亡しました。自殺とみられています。 しかし、竹内さんが亡くなった翌日にも立花容疑者はこのように発言していました。 (立花容疑者 今年1月の配信)「竹内元県議はどうもあす、逮捕される予定だったそうです」 これらの発信に対しては兵庫県警の本部長(当時)が異例のコメントを出し否定する事態になりました。 (兵庫県警 村井紀之本部長 ※当時) 「竹内元議員につきましては、被疑者として任意の調べをしたこともありませんし、ましてや、逮捕するという話はまったくございません」 「まったくの事実無根でありまして、明白な虚偽がSNS上で拡散されていることは極めて遺憾である」 それでも、立花容疑者は、竹内さんを標的に発信を続けました。 (立花容疑者 今年1月の配信)「竹内県議はかなりでっち上げしていたことは、多くの人が分かってらっしゃると思うので」 (立花容疑者 今年3月の演説)「生前も竹内、中傷していましたよ。だってあいつ、悪いことしてるじゃん。そもそも政治家が中傷されたくらいで死ぬなボケ」 ■元県議の妻が刑事告訴 こうした状況を受け、今年6月、竹内さんの妻が名誉毀損の疑いで立花容疑者を刑事告訴しました。 (竹内元県議の妻 今年8月)「立花氏の発信で『黒幕』とされた夫は人々の憎悪の対象に、悪意を向ける標的とされました。デマで人を貶め死者に鞭打つ行為が平然と公然と行われています。民主主義の根幹をなす選挙が死者の冒涜に利用されることの異常さ、悪質さを私たちはもっと深刻に受け止めなければならないと思います」 告訴について当時、立花容疑者は・・・ (立花孝志容疑者 今年8月)「これで白黒はっきりつくということですので、私としては非常に感謝しております。名誉毀損したことは認めますが違法性が阻却されて不起訴。あるいは仮に起訴されたとしても、無罪になると確信しております」 ■死亡から約10か月の逮捕 竹内さんが亡くなって約10か月となる、11月9日。立花容疑者が逮捕されました。 警察は、立花容疑者のSNSでの発信内容についていずれも事実無根で、真実だと判断する相当な理由がなかったとしたうえで、逃亡の恐れや罪証隠滅の懸念などを理由に逮捕したと説明しています。 立花容疑者の逮捕を受け、竹内さんの妻は9日、オンライン会見で次のように話しました。 (竹内元県議の妻 9日)「ひとまず、何よりもほっと安堵したところ。いろんな事態が起きて、混乱は収まっていないところもありますので、大きな報告が仏前でできたことはひとつ区切りになったのかなと」 捜査関係者によりますと立花容疑者は取り調べに対し「発言した事実については争うつもりはありません」などと供述しているということです。

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