「ホワイトカラー過激派」? 13人死亡のインド爆発、医師ら関与か

インドの首都ニューデリーの旧市街で10日午後6時50分(日本時間同10時20分)ごろ、車が爆発し、地元紙インディアン・エクスプレスによるとこれまでに13人が死亡、多くのけが人が出ている。当局は簡易爆発装置(IED)を使った自爆攻撃の可能性があるとみて、武装組織との関わりも含めて捜査しているという。 爆発が起きたのは旧市街にある世界遺産「ラール・キラー(赤い城)」に近い地下鉄駅の入り口付近。低速で走行していた車が赤信号で停止後に爆発し、付近の多くの車両も炎上した。一夜明けた事件現場は白い布で覆われ、周囲には紙くずなどが散らばっていた。警察による現場検証が続いている。 ■逮捕の医師らが過激派活動? 赤い城は閉鎖 同紙などによると、車に乗っていたとみられる男は、インドがパキスタンと領有権を争う北部ジャム・カシミール州プルワマの医師で、ハリヤナ州のアルファラ大で教えていた。今回の爆発より前に、警察は同じ大学と別の私立病院に勤務するカシミール出身の医師2人を、武器弾薬と可燃性物質を所有した疑いなどで逮捕しており、関係先への捜査から車に乗っていたとみられる男を割り出した模様だ。北部のウッタルプラデシュ州で働く医師の女1人も逮捕された。 警察は医師4人らが大学などのネットワークを使い、パキスタン系の武装組織「ジャイシェ・ムハマド(JeM)」や、カシミールに拠点を置く「アンサル・ガズワトル・ヒンド(AGH)」と関わり、大規模なテロを計画していた疑いがあるとみて調べているという。知識層が過激派活動に関わっていた可能性があることから、現地メディアのテレグラフインディアは「ホワイトカラー過激派」の疑いがあると報じた。 モディ首相は11日、訪問先のブータンでの演説で事件に触れ「責任者は裁きを受ける」と述べ、「陰謀」の真相究明に努めると話した。西部のムンバイやウッタルプラデシュ州など、首都以外の地域も警戒態勢を敷いている。 事故現場に近い「赤い城」は、17世紀にムガール帝国の第5代皇帝が建てた広大な城。れんが色の砂岩で造られた総延長約2キロの城壁や門で知られる旧市街の名所で、周辺は事件発生時も多くの人でにぎわっていたという。赤い城は事件を受けて11日から数日間閉鎖される予定。(ニューデリー=鈴木暁子)

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