勤務していた会社の顧客情報を不正に取得したなどとして、福島県福島署は11日午前8時10分ごろ、不正アクセス禁止法違反と不正競争防止法違反の疑いで福島市大森、自称無職の男の容疑者(50)を逮捕した。 逮捕容疑は昨年9月ごろ、当時在籍していた県内の不動産関連会社で、同社が利用するクラウドサービスにほかの従業員の認証情報を使って不正にアクセスし、共有ドライブ内に保存された氏名や住所などの顧客情報数十件を自身のUSBメモリーに移し、営業秘密を取得した疑い。また、同社のパソコンから別の顧客情報数十件を含むメールを自身のメールアドレスに転送した疑い。容疑者は容疑を一部否認している。 同署や県警生活環境課によると、容疑者は当時支店に勤務しており、クラウドサービスへのアクセス権限がなかった。権限がある本店従業員の認証情報を使って不正アクセスしたとみられる。容疑者は事件後、同社を退職したという。同署は昨年10月に同社役員から被害の相談を受け、県警生活環境課とサイバー犯罪対策課と捜査した。