国内最大級のスカウトグループ「ナチュラル」 年間紹介料は44億円

スカウトグループに捜査情報を漏らしたとして、警視庁の警部補が地方公務員法違反の疑いで逮捕された。警視庁が5年以上捜査する国内最大級のスカウトグループ「ナチュラル」とは、どのような組織なのか。 警視庁によると、全国の繁華街で少なくとも約1500人のナチュラルのメンバーが活動する。ナチュラルは2022年の1年間で、風俗店からの紹介料などで44.5億円以上を得ていた。 ■暴力団との乱闘で注目 警官を「ウイルス」 捜査関係者によると、ナチュラルは09年、東京・歌舞伎町を拠点に活動を始めた。警察が警戒するきっかけは、20年6月に歌舞伎町で起きたナチュラルと暴力団組員らによる乱闘事件だった。 その後に警視庁は、組織内での暴行事件などで数回にわたってメンバーを立件。今年1月には、売春目的で女性を性風俗店に紹介した容疑で、8月には暴力団にみかじめ料を支払った容疑で、それぞれメンバーを逮捕していた。 ナチュラルは高度に組織化され、スカウト部門と運営部門に分かれている。数千万円をかけてスマートフォンのアプリを独自に開発し、メンバーを管理。警察を「ウイルス」と呼んで敵視し、捜査員の顔写真を共有していた。 警視庁は22年12月、暴力団対策課を中心に、風俗店を担当する保安課なども加わり、部門を超えた捜査チームを発足。異例の重点捜査を進めてきた。 ナチュラルをめぐっては、大阪府警捜査4課の警部補と巡査部長が今年8月、拠点を家宅捜索中に捜査対象者の男性に暴行を加えたなどとして、特別公務員暴行陵虐罪で起訴されている。男性を殴ったり、ソファに押し倒して蹴ったりしたとされる。(三井新、西岡矩毅)

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