詐欺グループが依頼、被害金を資金洗浄か 「相対屋」を異例の摘発

特殊詐欺でだまし取った暗号資産を資金洗浄(マネーロンダリング)したなどとして、広島県警と警察庁サイバー特別捜査部は25日、会社役員の谷沢直樹容疑者(34)=東京都町田市=と指定暴力団山口組系組員の小林雄輝容疑者(44)=横浜市南区=を、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)と詐欺の疑いで逮捕し、発表した。認否を明らかにしていない。 警察は、暗号資産を個人間で違法に取引する業者を「相対屋(あいたいや)」と呼ぶ。県警などによると、谷沢容疑者は「相対屋」で、特殊詐欺グループの小林容疑者からの依頼に応じ、暗号資産を現金化していたとみられる。谷沢容疑者は小林容疑者を含む20人ほどと計22億円相当の取引をし、手数料を得ていたという。相対屋の摘発は異例。 2人の逮捕容疑は、共謀して2022年11月29日、特殊詐欺の被害金である暗号資産を現金約500万円に換えたなどというもの。この被害金は5府県の50~80代の男女5人からだまし取った約1億6千万円の一部とみている。被害者は暗号資産を指定の口座に送るよう、電話で指示されていたという。 広島県警が特殊詐欺事件を捜査し、警察庁が暗号資産の送り先を調べた結果、谷沢容疑者が浮上。谷沢容疑者は資金決済法違反容疑でも逮捕された。2人は匿名・流動型犯罪グループとみている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする